わざとダウンロードさせて違法コピーで逮捕する企業が現れた! コマンド?
とんでもない会社があるようです。わざわざ著作権のあるファイルをダウンロードさせて、ダウンロードした人を逮捕させようとしてるようです。どうやらアメリカの著作権団体であるMPAAやRIAAの使いっパシリのようで、日本で言うとJASRACの手先といった所でしょうか。
詳細は以下の通り。
詳しいことは著作権ゴロが動画ダウンロードサイトを立ち上げて民衆を罠にかけているという記事で語られていますが、このMedia Defenderという会社、以前からP2Pなどのファイル交換、著作権違反などへの対抗策として、ずいぶん過激な事をやってるようです。
MPAAによるFake Torrent放流用トラッカーを特定という記事で述べられてるように、P2Pファイル配布ソフトのBitTorrentにニセファイルを流すなんて事もしてたようですね。
今回の事件はこんなもんじゃないです。Media Defenderはmiivi.comという動画ダウンロードサービスを立ち上げ、わざわざそこに著作権のあるファイルを置いておき、ダウンロードした人を逮捕しようとしたようです。さらにそのファイルにはスパイウェアめいた機能まであったとか。
おとり捜査ってレベルじゃねーぞ
むしろマッチポンプそのものですね。これにひっかかった人がたくさんいらっしゃるようです。まさに著作権のゴロツキ(元記事では Anti-Piracy Gang という表現)と言っていい所業です。
これではネズミ保護法と戦う法学者ローレンス・レッシグ教授も、最近すっかり絶望気味の和製レッシグ・白田秀彰助教授も口をあんぐりあけて呆れる他ないでしょう。
この英語記事を翻訳してくださってる方もいらっしゃいました。
一般的に、著作権はきちんと守るのがいいことだと思われているでしょう。ですが、著作権を守りすぎると文化は衰退するという事に気付いてる人は、まだ少ないようです。
詳しくは前述の白田秀彰先生の書かれたもう一つの著作権の話をご覧いただけるとご理解頂けるかも知れませんが、著作権が強化されてきた事で、私たちのあたりまえの生活がすでに脅かされているのです。
たとえば最近話題の地上波デジタル放送、略して地デジなどと言われてますが、これもガチガチにコピーガードがかかっています。録画した番組をDVDに保存するとき、「コピー」ではなく「移動」しかできません。移動中に停電して番組データが全部飛んでしまって二度と見れなくなったなんて事も実際に起きてます。
また、音楽や物語などの作品を作る人たちというのは、最初の頃はほぼ例外なく物真似から入ります。音楽アーティストも最初は好きな曲を自分で演奏する所から入ったはずですし、マンガ家もたいてい子供の頃から好きな作品やキャラクターを自分で書く所からはじまってるでしょう。そういう物真似から自分なりのアレンジを経て、オリジナルな作品を生み出せるようになっていく。それが文化を発展させて来ました。最初からオリジナルを作れる人なんていないんです。
だから著作権を守りすぎると文化が衰退するのです。
日本ではこの20年ほどの間に、ずいぶんと著作権が強化されてきました。昔は今の中国のような海賊盤がけっこう溢れてました。確かにそれじゃまずいというのでどんどん著作権違反が摘発され、誰かが違反してないか見張るようになっていきました。
最近の音楽がつまらないのはそういう理由もあるんじゃないんでしょうか?
もちろん権利者は十分に保護されるべきです。しかしそういう権利者も昔は物真似をし、友達との貸し借りやコピーでたくさんの作品に触れて来たでしょう。そういったことを忘れ、ひたすら摘発摘発では文化が死にます。
音楽も映画も漫画もアニメもつまらないものだらけになって、そのうち誰も作らなくなります。
本当に実行できるか疑問に思ってる方もいらっしゃいますが、日本でも内閣主導でダウンロード禁止法案なんてめちゃくちゃな法律が検討されています。非親告罪化(権利者が何も言わなくても逮捕できるようにすること)もセットですし、今回の事件とあわせて考えると、うっかりそのへんの画像や動画を見ただけで逮捕される法律になりそうですね。