スクールバスの50人の子供を助けたヒーロー
アメリカのミネアポリスで橋が落ちてから連日でその事件のニュースがアメリカで取りざたされていますが、ある20歳の青年が事故現場のスクールバスの子供たちを助けたことで、CNNやStartribuneなどでヒーローとして取り上げられています。
ちょうど橋の崩れた現場では、50人の子供たちが乗ったスクールバスが事故に巻き込まれていました。そこでJeremy Hernandez(ジェレミー・ハーナンデズ)は後部のドアを蹴り破り、子供たち一人ずつ助け出したのです。
1日も経たないうちにそのことがニュースで取り上げられ、彼は一躍ヒーローとなったのです。
現場は何度も轟音とともにすぐ煙のような砂埃が舞い上がり、何が起こったのか彼でさえよく見えなかったと言います。ローラーコースターのように落ちていくバスの中にはコミュニティーセンター夏季プログラムのための子供たちが乗っており、一斉に叫び声や泣き声に変わりました。
「川へ落ちちゃう!川へ落ちる!」とちょうど橋を渡り終えるところだったバスの後部ががたんと後ろへ下がります。
すでに一部の車から炎が上がっており、マスコミのカメラには後ろの緊急ドアの開いたスクールバスが映し出されていました。
彼はそのときの様子をインタビューではこう伝えています。
「川が見えたとき、心臓の打つスピードが速くなると同時に慌ててイスから飛び降りてドアを蹴り破り、とりあえずバスから子供らを降ろしました。 降ろしていくと同時に子供らはバスの横に並び、橋は揺れていました。 とにかく橋から離れるんだと言いました。下の通りにいる人々に子供らを渡していきました。子供らは「死んじゃう」と叫んでいました。」
幸運だと思いますか?というインタビューに対して「生きていることが幸運だ」と答えていました。他の車などはそのときにはしっかり見る余裕もなかったと伝えています。
運良く全員助かりましたがその後の惨状から、かなり悲惨だった様子が伝えられています。
ところがジェレミーはその事故がある前に、15000ドル(180万円)の授業料が払えないために、自動車整備士のための学校を中途退学していたことが発覚。
そんな彼の人生が一日で変わってしまいました。.土曜日にはDunwoody College of Technologyが彼に奨学金を提示してきました。全国から知らない人からも助けの手が差し伸べられました。
彼は急なメディアの注目にかなり驚いている様子で、各地からメールなども届いているそうです。
ワイドショーが好きそうな記事内容ですが、Diggで1位の記事となっていたのにはもう一つ理由があります。
Bush大統領と写真を撮る機会を与えられたそうなのですが、彼はそれを断ったからです。
確かに命拾いしたものにとっては大統領と写真を撮ることなんてどうでもいいことなのかもしれません。
ゾッとする
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