ブッシュ大統領が果てしなく嫌われていく理由とアメリカの行く末
Digg記事を毎日見ているといろんな記事が入れ替わり上がっていますが、必ずベスト10の中に2つか3つはブッシュ大統領の記事があります。
そしてどの記事もいかにブッシュがダメか、いかにブッシュ陣がひどいかってことを示唆する記事です。
Diggの投票者たちのコメントを見ていてもわかりますが、こんなに米国内で嫌われる大統領も珍しいと思うほど嫌われています。
国内だけじゃなく、海外でも嫌われていますが、悪口を堂々とマスコミがうるさく言わないのは日本くらいじゃないかと思われるくらいの叩かれようです。
毎日のように新しいのが上がっては消えるので、らばQでも取り上げたことはないですが、一つ心に残っている記事があったので紹介しておきます。
その前にブッシュ大統領がなぜこれほどまでに嫌われているのかというのに触れると、無理もないと思われる理由がいくつもあります。
まず、証拠がないだけで彼は正々堂々と選挙に勝っていないとまず世間の大半が思っています。
ついでに私もそう思っています。(偏見)
大体票数の数えなおしってのがいかにもって感じでどう考えても怪しく、共和党くんだりで票数の操作をしたのは間違いないというような記事や非難が相次いでいました。最近もオハイオ州の投票用紙もごっそりとなくなっていることがニュースになっていたのは記憶にまだ新しいです。
その件で調査をしようというときに9・11のテロ事件です。
あまりの大きな事件に米国人はすっかりブッシュ大統領の”ずる”選挙のことを忘れて、テロという新たな敵に立ち向かわなくてはいけなくなりました。このテロのタイミングのよさからこのテロそのものもブッシュ陣の仕業ではないかと、疑惑がでたくらいです。
そりゃ、そんな都合よく調査前ぎりぎりに仮想敵が現れりゃ、そう思われるのもしかたなく、疑われるのも当然ではあります。そのへんを映画にしたのが、マイケル・ムーア監督の華氏911です。
しかしまぁ推測ではありますが、さすがにそこまではしないだろうとさすがに思うので、ブッシュのテロへの関与の可能性は今のところ流れてはいます。
しかしその後、米国はイラク問題で忙しくなるので、さらにブッシュがなぜ大統領に当選したのかということを鋭く指摘されずには、今までに至ります。
大半のアメリカ人はテロ事件やイラク戦争ですっかりブッシュ大統領がまず大統領になれたのがおかしいことを忘れていたようですが、外国の人間は忘れません。
忘れないので外から見ているものは不信感いっぱいで見つめています。
そして今になってアメリカ人もようやく思い出してきたようでかなりブッシュの支持率がさがっています。彼の今までの舵取りは悪く、半分ほどあった人気(最初からあったかも疑問)も下がる一方で現存の支持率は以下のグラフの通り。
(クリックすると拡大画像)
とにかく評判・業績・知能のどれをとってもダメなブッシュですが、プレイム事件で偽証罪に問われていた元副大統領補佐官リビー容疑者を、いったん禁固刑2年6ヶ月の有罪判決を受けたというのに、砕いていうと仲良しだったという理由(砕きすぎ)で刑務所に入らなくてすむようにはからったというから、ヨーロッパへまでひどいスキャンダルとして流れていました。
ブッシュ大統領(操り人形)やディック・チェイニー副大統領(影の黒幕)も同じく偽証罪が問われていましたが、うまくリビーに全部押しつけられたので、かばったというのが正しいのでしょうか。
フィッツジェラルド検事はチェイニーらの疑惑を否定せずに「暗雲が漂っている」といううまい言い回しをしていましたが、そのへんは一般人はかなり厳しくはっきり「ウソツキ!」と叫んでいます。そのへんを上手くスローガンにしたものが、
「クリントンが嘘を言ったときは誰も死ななかった!」
このユーモアとも言えるスローガンに、言いえて妙とはこのことだなと感心したものです。
スローガンはさておき、こんなはちゃめちゃではそりゃ嫌われて当然です。
さすがに支持率26%は当然ともいえます。
「過去最悪の大統領」と言ったジミーカーター元大統領の心情もわかります。
そんなこんなでブッシュの支持率はどんどん低下し、その低下にともなって、ブッシュを叩く記事の人気はうなぎのぼりです。現在人気サイトになりたければブッシュを叩けというくらいです。
ちなみに英国では2006年度の調査でブッシュ大統領の危険度は金正日に勝るとGuardianに出ていましたが、要は世界の平和のために不安材料となる世界のリーダーは誰かというのに
オザマ・ビン・ラディン87%
ジョージ・ブッシュ75%
金正日69%
と堂々2位となっていました。
ちょうどそんなときに一位に上り詰めたアメリカ人の書いたDigg記事で、お隣さんが引っ越してしまうというブログ記事がありました。
内容は、ある日お隣さんの家の前に引越しトラックが来ていたので、簡単な挨拶に行くと85歳くらいのおじいさんが話しをしてくれたそうです。
彼はドイツ人で第二次世界大戦を経験していました。当時のドイツのヒトラー政権の様子をよく覚えていて、政府の残虐な行為に一般人も何も言えなくなり、恐怖に怯える家族の様子などを見て育ったそうです。何かを言うものは必ず消えていき、人の変わる様子を見たとも話しました。その彼がドイツに引っ越すと言います。そしてアメリカ人はもう平和になったドイツを恋しく思い帰るのかを尋ねます。
そうするとおじいさんはこう言います。
「当時のドイツが変わっていく様子と今のアメリカが似ているからじゃよ」
当時の残虐なドイツに変わっていく様子と現在のアメリカが似ているからだと言ったのです。彼はもう自分は歳なので何もできない、当時は子供だったので何もできなかったと言ったのです。だから遠いドイツへ帰るのだと言ったのです。
これを聞いてアメリカ人は心底怖くなったとブログで書いています。
この国はいつから独裁になったんだと書いています。あのナチがここでまた育つなら我々は何とかすべきじゃないだろうかとありました。
このブログには多くの人の反響を呼んでコメントも600近くも入っていました。
ブッシュを先頭にアメリカはいったい今どこへ向かっているのでしょうか。
そう考えさせられるブログでした。
参考:
この本で描かれているラムズフェルドはまるでダース・ベイダーのよう
- http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/americas/6263616.stm
http://www.cnn.com/2007/POLITICS/07/02/libby.sentence/index.html
http://en.wikipedia.org/wiki/Scooter_Libby
関連記事
ブッシュのホワイトハウス(上)
posted with amazlet on 07.08.13
ボブ・ウッドワード 伏見 威蕃
日本経済新聞出版社 (2007/03/07)
売り上げランキング: 50909
日本経済新聞出版社 (2007/03/07)
売り上げランキング: 50909
おすすめ度の平均:
歴史は密室で決まるこの本で描かれているラムズフェルドはまるでダース・ベイダーのよう