睡眠不足でも頑張らなきゃいけない人の解消法
睡眠は我々の人生の大部分を占めるものですが、量より質であると最近わかってきました。
いくらたくさん寝るほうがいいと言われても、疲労を感じていないときや、リラックスできないなら寝ることに価値はそれほどないことを意味します。
現在まで少なくともアメリカでは長めに寝れば健康であるかのような情報が流れていましたが、最近の調査では眠らなきゃいけないような強迫観念が実は死をより近づける結果になることが、わかってきました。
医薬品業界の宣伝もあることで、世界中でとにかく眠らなくてはいけないと「がんばって寝ようとする」人が多く、睡眠薬を服用して寝不足を解消しようとする人がこの数年で増加の傾向にあるようです。
カリフォルニア大学サンディエゴ校のDaniel Kripke氏によると、睡眠に対する気持ちや習慣の改善のほうが、睡眠薬に頼って寝るよりましだというようなことを述べ、以下のような改善を勧めています。
・眠くなるまで床に就かない ─ 眠れない人ほど、遅く寝る、あるいは早く起きるべきである
・毎朝同じ時間に起きる ─ 特に前の晩眠れなかったとしても同じ時間に起きるべきで、それによって翌日就寝時には眠くなる
・真夜中に目が覚め、眠れなくなったら一度床から出る。 ─ 眠くなってから戻るとよい
・床では寝ることと、男女の営み以外のことをしないようにする ─ 心配ごと、テレビを見る、怖い本を読む、その他のことをできるだけ避ける
・就寝から6時間以内にカフェインの入ったものを飲食しない ─ ・アルコールを避ける ─ アルコールはリラックスさせてくれるが、醒めると不眠を誘発する
・外で時間を過ごすようにする ─ 日の光に当たることや、光線療法によって良く眠れることがわかっています。
Daniel Kripke氏は睡眠薬を毎日服用している人のリスクは1日1箱の喫煙者とそう変わりはないとし、日常的に服用しない人でも、全く服用しない人に比べて死亡リスクは10〜15%高いのだそうです。彼のオンラインブックには睡眠薬は多少に関わらず安全ではないと書いています。
8時間以上睡眠をとる人がそれ以下の6〜7時間程度の睡眠をとる人より、よりよく機能しているかという証明はないとしながら、むしろ平均睡眠時間の少ない人のほうが成功している者が多いこともあげています。
不眠の理由はいくつもあげられますが、睡眠に関するデータを出すThe National Sleep Foundationは医薬品業界との経済的、産業的なつながりが強いとThe Sacramento Bee 紙で取り上げおり、統計やデータに疑問は残ります。
では6時間以上眠れなければどうなるのでしょうか。
当然適度な休息を身体が摂取できなければ、脳の機能は著しく落ちます。集中力や決断力が鈍ることも新しい情報ではありません。そこで、睡眠薬を飲むより効果的なちょっとした身体のリフレッシュをさせるための睡眠方法をご紹介します。
一日何度も眠る多相性睡眠(Polyphasic Sleep)
これはどういうことかというと1日の睡眠時間を2〜6時間に減らす必要がある場合に、睡眠の効率をあげるということで一日に短時間の仮眠を何度もとるという方法です。1回15〜30分という短時間の仮眠をいくつかに分けてとるというものです。ただし、この方法は精神的、身体的に慣れるまでの1〜2週間は少しきついと感じるかもしれません。
そしてその方法について定型化されたものが、Uberman's Sleepと呼ばれるものです。多相性睡眠の中では広く知られていますが、これは4時間おきに20分ずつの仮眠をとるというかなり極端な方法ではあります。
長時間耐久ヨットレースなど一度に長時間睡眠をとることが難しいスポーツで、最も睡眠の効率をあげるテクニックとしてとりあげられていますが、そして宇宙飛行士、軍などでも使うことがあるようです。
集中した長く深く眠る睡眠(Core Sleep)
長いといってもだらだらと長いわけではなく、1〜2回の仮眠を足した分くらいの睡眠のことで、寝過ごしたりするような睡眠もこう呼ぶことがあります。Uberman's Sleepの変化形として知られており、それの代表で、Uberman's Sleepよりはすこし緩和されたEveryman Sleepと呼ばれる方法もあります。だいたい3時間の夜の睡眠と3回の20〜30分の仮眠の組み合わせになっています。
このようにに仮眠や昼寝によって、夜の短時間の睡眠をかなり助ける記事が多いのも確かです。 科学者によると、効率のよい昼寝/仮眠をとれるかどうかは2つの要素にかかっているそうで、1つはタイミングでもう1つはカフェインの摂取らしいです。イギリスのラフバラー大学(Loughborough University)の実験によると、睡眠不足が「たった1杯のコーヒーと15分の仮眠」で驚くほどのリフレッシュできると伝えています。 方法は以下の通り。
1. 仮眠/昼寝をする直前に1杯のコーヒーを飲む。カフェインは効能が出る前に消化器官を通過しなければいけないことから、仮眠をとる時間がそこで与えられます。(仮眠後のタイミングで目が覚めてくる)
2. 目を閉じてリラックスする。睡眠に落ちずにうとうとするだけだとしても、マイクロスリープ(一瞬の眠りに落ちること)や瞬間に覚醒状態が遮断されることで効果があります。
3. 昼寝/仮眠を15分に制限する。30分かけると、本当の睡眠に陥ってしまい、あるいは決断力などをつかさどる前頭前皮質の動きが鈍くなり、これを活性化させるのにさらに30分かかります。
さて、昨日眠れなくて今日一日を乗り越えるのが困難な方にはお勧めです。
仮眠時間を確保できる人は、ぜひ試してみてください。
参照lifehacker.com : Reboot Your Brain with a Caffeine Nap
howto.wired.com : Cheat on the Need to Sleep
livescience.com : Sleep Deprivation: The Great American Myth
wikipedia : Polyphasic sleep
wikipedia : Uberman's sleep schedule
wikipedia : Everyman sleep schedule