ライオンと虎の交配種「ライガー」は珍しさよりも見た目のインパクトが凄まじい

ロバ(父)+ 馬(母)=ラバは知ってる人も多いでしょうが、
ライオン(父)+ タイガー(母)=ライガー というそのまんまな名前の異種間の雑種・交配種がいます。
逆パターンだと
タイガー(父)+ ライオン(母)=タイゴン とやっぱりそのままな名前だったりします。
このライガー、単純に交配種としても物珍しいですが、以下の画像を見ればわかりますが、見た目にもの凄いインパクトがあるんです…

でかっ

とにかく大きい、それもそのはずライオンや虎の体長が1.5〜2.5m 程度、体重が200〜300kg程度なのに対して、ライガーは足を伸ばした体長が最大12フィート(約3.56m)、体重 450〜600kgにもなる、ネコ科最大の動物だそうです。頭もクマ並に大きいような…
(2010/5/6)追記:体長7m弱としていたのを訂正しました。ご指摘くださった方ありがとうございます。

どちらかというとライオン側の遺伝が強く出るようで、現在世界中に一握りほどしかいません。いまだ正式な学名もないほどの動物で、単にライガーと呼ばれています。
オスのライガーは生殖機能を持たず、メスにはありますが、さらに生まれた子は生殖機能を持たないため、繁殖していかないのだそうです。ラバもそうですが異種交配した動物は種の保護機能が働くためか繁殖能力を持たないそうです。

メスの虎がオスのライオンと交配することは、野生では例がありません。 実際にそれが起こったのは偶然とはいえ捕獲による理由ですから、人間の手による悲しいハイブリッドのひとつだといえます。
野生でライオンと虎が出会ったとしても通常は敵同士として殺しあうそうです。自然界では現在ライオンと虎が同じ地域に下記の例外を除いて生息していないので、組み合わせが起こることはほとんどありません。
地理的に野生の虎はアジアなどの密林に、野生のライオンはほぼアフリカ大陸にいるためです。現在世界では、唯一両方が生息するのがインドのギール野生生物保護区で、この地域で数百年前には野生のライガーがいたとも仮定されていますが、ギール保護区が乾燥地域でトラにとっての最適な生息地ではないことから疑問の声もあがっています。

ライガーは縞模様と斑点を持つ巨大なライオンの姿をしており、ほとんどの場合、縞模様は背中や後ろ足にまたがり、斑点は腹部や顔に見られます。成長するとそれほど目立ちませんが、ライオンは幼少期には保護色として顔に斑点が現れます。 それがライガーにも遺伝しているようです。
1日に食べる肉の量は、18〜22kgですが、1回の食事に45kgも食べることが可能だそうです。交配種された動物の特徴に雑種強勢と呼ばれる、その両親に比べ優れるという現象があります。このことから、両親より巨大化する傾向にあり、ライガーは母親の虎や父親のライオンよりも一般的には40%も大きくなります。

通常は虎のように息を漏らすような声をだしますが、吠え声はライオンそのものだそうです。ライガーは非常に美しい動物ではありますが、異種交配するというのはやはり動物には優しいものではなく、病弱がちな子が生まれやすく、早くに死んでしまうケースが少なくありません。
ハリウッドやショーのために作られることが多いものの、数が少ない上に神経欠陥、遺伝子の異常、短命などから減少しつつあります。19世紀の始めごろからライガーの存在が知られ、ヨーロッパでは1837年に2匹のライガーが生まれ、当時のウィリアムIV世とビクトリアにお披露目されています。

ちなみにライオンのメスと虎のオスの組み合わせのタイゴンは、ライガーほど大きくなく、現在は中国で数少ないながら交配されているほかは、こちらも数が少なくなっていってます。
物珍しさや大きさ、美しさに目は見張りますが、人間のエゴで繁殖力もなく病弱な動物を作り出してると思うと、考えさせられるものがあります。
via:www.snopes.com : Liger
www.lifeinthefastlane.ca : Lion plus Tiger equals Liger