冴えない男の才能が発掘されたとき「ポール・ポッツ」(字幕動画)
読者の方からこの動画を採り上げてほしいとの投稿を頂いたので、字幕をつけて紹介してみることにしました。
内容はイギリスのテレビ番組で、「Britain's Got Talent」という タレントを発掘するためのタレントショーです。
先に説明すると、このショーでは歌でも手品でも、体操でも自分が秀でていると思うものに応募して一般人が競います。
審査員は3人で、イギリスのソニーBMG・ミュージックエンタテインメント の音楽プロデューサーであるサイモンを筆頭に、女優のアマンダ、新聞編集者出身のピアースと一筋ならではいかない3人です。
3人はそれぞれブザーを持っていて、パフォーマンスの途中で3人にブザーを押されると、その時点で終了で不合格です。仮に最後までパフォーマンスできても不合格が大半です。
この3人の目をかいくぐるのは非常に困難で、かつ不合格の際にはひどいコメントを投げかけられることもしばしばです。特にサイモンは一般人が鑑賞してすばらしいと思うようなパフォーマンスでも、
「君はここへ何しに来たんだね?」
「君は下手すぎる」
「ひどいパフォーマンスで見るに耐えないね」
などと、観客が同情するほどひどいコメントを出すことで有名です。そんな前でパフォーマンスするわけですから、出場者は緊張の汗をかくわけですが、まさにそんなサイモンの餌食になりそうな、全く冴えないセールスマンが歌うためにコンテストに出場しました。
彼の名前はポール・ポッツ(Paul Potts)と言います。百聞は一見にしかずと言いますから動画をご覧あれ。
※埋め込み禁止になっていたため、暫定的にらばQの字幕では無く字幕付きのyoutube動画に差し替えてあります。
準決勝・決勝の記事に続きます。以下よりどうぞ
感動をありがとう─冴えない男の準決勝・決勝編(動画)
驚くことに彼は歌を仕事にしたことはありません。自信のないシャイな彼は小さい頃はいじめられっこで、いじめられると一人で歌を歌っていたそうです。彼が歌った曲は日本人でもおなじみになったプッチーニの最後の作品「トゥーランドット」の中のナンバーですが、綺麗に響く声とオペラの迫力がよくでていますね。
この動画は第一関門ですが、彼は最終ファイナルまで行き、優勝したのです。こういう番組を見ると、世の中はまだまだ発見されない才能がたくさんうずもれているように思います。
それは世界だけでなく、きっと日本にも。
さて、このトゥーランドットの1ナンバーであるNessun Dormaと言う曲は、フィギュアスケートの荒川静香さんの活躍で、日本ではオペラファン以外でも誰もが知る曲になりましたが、Jurassic Page:Nessun Dorma!(あるいは3台テノールとワールドカップ)というサイトで面白いエピソードが書かれていたので、抜粋します。
ところで、この「Nessun Dorma」というアリア、今ではとても有名になっていますが、ちょっと前まではこんなメジャーな聴かれ方をされるようなものではありませんでした。じつはこの曲は、ある日突然大ブレイクしたという、クラシックには珍しい体験を持っているのです。
1990年にサッカーのワールドカップがイタリアで開催されたのはご存知でしょう。その時にイギリスでサッカー中継の番組を担当していたディレクターが大のパヴァロッティのファンだったのです。そう、あのルチアーノ・パヴァロッティ。そこで、自分の番組のオープニングに、パヴァロッティが歌っているこの曲を流したのです。趣味の押し付けですね。ところが、これを聴いたリスナーがすっかりハマってしまって、なんとシングル盤までリリースされてしまいました。そうしたら、それがUKのシングルチャートのトップに躍り出てしまったのですよ。シングルチャートですよ。あの頃だと、カイリー・ミノーグとかリック・アストリー(もうすでに懐かしい)といったダンス系の音楽がチャートを賑わせていた頃。そこへクラシックの王道とも言えるオペラアリアがチャートインしただけではなく、何週間かトップを獲得していたというのですから、これは前代未聞のことでした。
日本だけではなく、イギリスでも同じようにスポーツイベントで大ブレイクしていたというのは、不思議な縁を持つ曲ですね。
このサイトには、他にもトゥーランドットの由来や話の内容なども書かれているので、興味ある方はどうぞ。
続きはこちらからどうぞ。
1.予選編 →
2.準決勝編 →
3.決勝編 →
4.発表編
追記:彼のCDが出ていました。
BMG JAPAN (2007/11/21)
売り上げランキング: 73
ポリドール (1994-09-21)
売り上げランキング: 562
気持いい!
人間のすばらしさに涙
歌声はすばらしいが
人の歌声・人間味の凄み♪