なぜVocaloid鏡音リン・レンはロードローラーなのか
2007年夏にリリースされた初音ミクはすぐさまニコニコ動画で大ヒットしました。
人工音声を自由に歌わせられるVocaloid技術のすごさ、さらにその声のかわいらしさ、発売元のクリプトン社の懐の深さもあいまって、2007年後半は毎日のように初音ミク関連動画が投稿され、常に話題をふりまく存在でした。
初音ミクはたくさんのユーザーに愛され、そのユーザーの間でいつの間にか定着した非公式設定に「長ネギ」があります。なぜかユーザーの書くイラストやオリジナル楽曲にネギがいつも出てくるんですよね。
そして昨年末、とうとう初音ミク2号機ともいうべきキャラクターボーカルシリーズ第2弾、鏡音リン・レンがリリースされました。
鏡音リン・レンにも初音ミクのネギのような非公式設定が付くことを予想してる人がたくさんいましたが、まさかそれがロードローラーになるとは誰も思い付かなかったんじゃないでしょうか。
というわけで、なぜロードローラーが定着してしまったのかをご紹介しましょう。
そもそも初音ミクにネギが定着してしまったのはどういう事かというと、Ievan Polkka(イエヴァン・ポルッカ)というポルカ曲が原因です。
Loituma - Ievan Polkkaこの楽曲の不思議な魅力に取り付かれた人がなぜか女の子がネギを回す動画と共に増殖していき、Levan Polkkaといえばネギとなってしまいました。この曲を歌ってるカルテット「ロイツマ」に因んで、ロイツマ・ガールという言葉が海外のネットでも広く知られるようになりました。
この曲を初音ミクに歌わせたものがまた見事な出来で、クリプトン社の社長もお気に入りらしいです(この記事のコメント欄「投稿者 wat : 2007年09月06日 00:48」)。
VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみたで、とうぜんのように動画では初音ミクがネギを振り回すことになり、これが定着してしまったんですね。
このへんの事情は以下の動画が詳しいです。
【初音ミク】なんでミクはネギ好きなのか?【ネギ】鏡音リン・レンの場合
ということで初音ミクはネギ、では鏡音リンは? という命題は発表当時からずっと話題で、発売前にタマネギが提案されてたこともありました。
鏡音リンにも「Ievan Polkka」をやってもらった(full)しかしこれは発売前ということもあり、当然鏡音リン・レンの声じゃありません。
そしてついに鏡音リン・レン発売された直後、このような動画が投稿されていました。
【鏡音レン】日本ブレイク工業社歌イラストになぜかロードローラーが。日本ブレイク工業の社歌ということもあり、この動画のために書かれたものかと思いましたが、実は前から存在してたようです。
どうやら12月上旬に投稿されたこの動画が元ネタのようです。
初音ミク「すいません・・・、鏡音リンを予約したいのですが・・・」髪の毛の色が黄色いというだけでロードローラーっすか。確かに初音ミクも髪の毛がネギと同じく緑色ですが。
そして鏡音リン・レンにもあのIevan Polkkaが作られます。その楽曲に初音ミクのIevan Polkkaのような動画を付けたバージョンが年明け早々に投稿されました。
鏡音リン・レンをはちゅね化してみた【改】ここでも背景にロードローラーが。しかしまだタマネギも最後にちょっと出てきます。
どうやら玉葱派とロードローラー派の争いがくりひろげられてるようです。
しかしもうロードローラー派のパワーは止められません。
【鏡音リン】ぶっちぎりにしてあげる♪【ロードローラー最速伝説】もはやこれで確定といっていいほどのインパクト。頭文字Dのパロディのはずですが、どっちかっていうと何人たりとも俺の前は走らせねえって感じです。
でもブレーキくらいつけたほうがいいと思います。
今もニコニコ動画にはどんどんロードローラー+鏡音リン・レンの動画が投稿されまくってます。
初期にはニラというのも(公式デモソングがニラに聞こえたから)出てたのですが、ロードローラーのイメージがすっかりついてしまった。クリプトン最大の誤算と言われるのもしかたなさそうです。
しかしまだまだ鏡音リン・レンの歴史ははじまったばかり。玉葱派逆転のチャンスもあるかもしれません。いや、クリプトン的にはニラも玉葱もロードローラーも変わらない気がしますが。