2008年01月28日 09:02

写っている写真からカメラの落とし主を捜せ

 
写っている写真からカメラの落とし主を捜せ

ちょっとした物語風の記事がありました。

年末年始というのは忙しい時期で、世界中でいろんなストーリーが展開されているようですが、ニューヨークでは、こんな話があったようです。

置き忘れたカメラの中に残された写真(上の画像はその中の1枚)を頼りに、持ち主を探し出そうとした人がいました。

もちろん実話です。

去年の大晦日の日暮れに、エリカ・ガンダーソンさんはニューヨーク市内でタクシーに乗りました。

すると座席にとても良質のキヤノンのデジタルカメラが置き去りになっているのを見つけました。運転手に、前の乗客が忘れたらしいと尋ねてみると、運転手はまるで無関心。そこでガンダーソンさんはそのカメラを持って帰り、それを婚約者のブライアン・アッシャーさんに見せました。

二人は持ち主を捜すべきだという決断をしましたが(ニューヨークじゃ警察に届けても望み薄)、カメラ内に収められている写真以外の手がかりはありません。

写っている写真はお決まりのニューヨークの観光写真で自由の女神などが写っていました。それだけでどうやってこの広い世の中から、全く知りもしない誰かを見つけ出せるのか想像もつきませんでした。

ガンダーソンさんのほうは仕事が忙しくなり、カメラの持ち主捜しはブライアンの手にゆだねられました。ブライアンは26歳の法律を専攻するニューヨーク大学の学生です。ちょうど冬休みで、地球環境協定についてのレポートを書くのに飽き飽きしていたところでした。

彼はまず市内のタクシー会社に紛失物の確認連絡が入っていないか問い合わせました。全く手がかりはありません。次にCraiglistという掲示板の遺失物取扱の項目に広告を出しました。ブラジルにいるカップルからたった1件の連絡があっただけでした。しかもそのカップルがカメラを失くしたのは12月31日ではなく、10月12日でした。ブライアンはブラジルのカップルが2ヶ月もカメラがタクシーに乗っていたと期待したのではないか、と後で述べています。

カメラの中にあった350枚の写真と2つの動画の中には数人の大人、一人のおばあさん、二人の子供が映っていました。写真の半分はエンパイヤーステートビルなどニューヨークの観光地で撮られたもので、残りの半分はグループ単位で気候の良い遊園地などで撮られたようでした。

そこがフロリダ州というのは写真に写っていたレストランや標識などですぐわかりました。海賊ボートの前で子供たちがヒゲをつけて撮ったものもありました。このグループの写真を拡大して名札を見ると、「アラン」、「アイリーン」、「ノエル(女性)」、「ノエル(男性)」と書かれているのが読めました。彼らの名前の下には「IRE」という文字も入っていました。動画を確認しても、子供たちが踊ったり、泳いだりしているほかは何も手がかりはありませんでした。しかしアイルランド訛りの英語に気付きました。

なるほど、持ち主はアイルランド人だな、ブライアンはそう思いました。

彼はその500ドルほどもするカメラのシリアルナンバーが登録されていないか、アイルランドのキヤノンへ電話して確認してみましたが、そこも全く手がかりなし。続いてアイルランドのWEBサイトに広告を載せましたが、何の効果もありませんでした。

写真に登録されている日付を確認し、そこのレストランに電話し、大きなアイルランド人グループにサービスしたことを覚えている人がいないか確認してみました。レストラン側からは苗字がわからないと確認のしようがないとの返事。レストランの支配人はブライアンの努力に対し、もうそれで十分ではないかと、新しいカメラを見つけたとあきらめてもいいのではないか、と言ったそうです。

新しい目で見ると発見もあるだろうと、ブライアンは自分の母親と姉に同じく写真を見せて手がかりを探しました。母親のナンシーは昔、イタリアのフィレンツェのタクシー内でカリフォルニアの人の財布を拾って届けた経験から、必ず落とし主が見つかると信じていました。「これだけのデータやヒントから持ち主に届けられないことはないと絶対に思っていました。」今になってナンシーはそう語っています。

ブライアンの母と姉はニューヨークタクシーに乗るときにドアマンが写っているのに気付きました。そこのホテルにその日に泊まった客を下の名前で検索できるのではないかとナンシーは考えました。何度もホテルに電話し、何度もホテルに足を運びました。そして写真と同じ日にそこのホテルに確かに「ノエル」という名前のアイルランドからの宿泊客がいました。そこの宿泊客のEメールアドレスを手にいれました。
全くの幸運です。

ところがそのノエルはブライアンに彼はカメラを失くしていないと返事してきました。

もうその時点で大学が再開するのでブライアンはカメラを母親のナンシーに託す準備をしていました。ナンシーは写真から、フロリダの海賊ボートクルーズの名前とその事業主を見つけようとし、ブライアンは最後に写真をもう一度見ると、12月30日の写真で子供が含まれていないものがありました。写真にマンハッタンイーストビレッジにあるバーがいくつか写っています。居酒屋の店内の写真もいくつかありましたが、バーとは違うようでした。

すると前に気付かなかった写真で、2人がアパートの外で撮影されているものがあり、そこの含まれている「Standings」(スタンディングス)と言う文字を見つけました。先ほど写っていたバーの隣にある別のバーです。WEBサイトでチェックすると、写真に写っているものと店内が同じでした。ブライアンはバーのオーナーに連絡し、オーナーはその日に働いていたバーテンダーに連絡を取ってくれました。

そして彼はアイルランド人グループのことを覚えていました。その中の一人の女性がニューヨークで同じようにバーで勤めており、チップを弾んでくれたからだそうです。スタンディングスのバーテンダーは彼女が働くバーに連絡をしてくれ、どの女性がスタンディングスに来ていたかを突き止めてくれました。

しばらくしてサラ・カシーという女性からメールが届きました。彼女の妹はニューヨークのバーで勤めていると書いてあります。彼はすぐにカメラに入っている写真が脳内によみがえってきました。

カシーは最近アイルランドから親戚や友人を招いており、その中のアラン・マーフィーという人が、ニューヨークに来る前にフロリダに旅行したのがわかりました。(ブライアンがメールしたノエルは全く別人だったそうです)アランはカメラをニューヨークのタクシーに忘れ、悔しい思いをして旅行を終えていました。

サラはカメラを郵送すると約束しましたが、送り先はアイルランドではなく現在アランが住むオーストラリアのシドニーへ渡りました。彼は何年も計画して行った旅行の写真を全て失ったことにかなり失望しており、1月10日の彼の34歳の誕生日に彼のカメラが戻ってくる知らせを聞いたのです。

「大喜びで知らせを受けたよ、最高の誕生日プレゼントだ」こう語るアランは、「君に借りができた」とブライアンに書いたそうです。

Photo clues lead to camera's owner より

他愛ないストーリーですが、ちょっとした親切が世の中にあるというのは、心温まります。


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