ネット料金が高騰し、政治家の懐に入る法案が審議されてる!?
近い将来、パソコンやインターネット接続料金が高くなるかもしれません。それも天下りと無駄なコスト増加によって。
いったい何が起きてるのでしょうか。
どうやら自民党、民主党、その他もろもろがこぞって青少年保護の名の元、インターネットに規制を加えようとしてるようなのです。
その内容というのはとんでもないもの。
誤解を恐れず思いっきりわかりやすく書いてみると、以下のような内容です。
- ネットは検閲通さないと見せないよ!
- 検閲ソフトは国認定のやつ使ってね!
- それ管理する天下り団体作るからお金ちょうだい!
- 逆らう奴はみんな逮捕!
しかもひどいことに、原油の暫定税率問題などでごたごたしてる今国会で、どさくさ紛れに通しちゃおうとしてるようです。
詳細はリンク先を見て頂くとして、こちらには簡単なまとめの部分を引用させて頂きます。
- 内閣府に設置される少人数の青少年健全育成推進委員会(最大数5人)っていう組織が、インターネット上の全てのコンテンツについて、青少年に有害か無害かについての判断基準を作成します。ちなみにその基準へ異論を申し立てる方法はありません。(法案19条から31条)
- 個人も含む全てのウェブサイトの管理者は、上記の有害コンテンツの基準に合致した場合、サイトを丸ごと未成年が入れない会員制にするか、フィルタリングソフトへ自らのサイトをフィルタ対象として申請することなどが、求められます。(3条1項)
- 全てのISP、ASP事業者などには、有害コンテンツの削除やサービスの停止が求められ、従わない場合の罰則も設けられます。結果としてウェブコンテンツの削除は行われることになります。(3条)
- 全てのPC・携帯電話について、国の基準に基づいたフィルタリングソフトウェアをプレインストール、あるいは、フィルタリングサービスに強制加入することが、PCメーカー(努力義務)及びキャリア(提供義務)に求められます。(5条、8条)
これをもっと簡単に言うと以下の通りです。
- ネットの情報が有害かどうかは5人以下の人間が勝手に決めます。異義はあっても受けつけません。
- ブログやウェブサイトを作ってる人は、未成年が入れないよう会員制にしなさい。それが嫌なら自分で自分のサイトを有害サイトだと自己申告しなさい。
- インターネットの業者は1で認定された有害情報をとっとと削除しないと逮捕します。
- パソコンや携帯電話は1で決めた有害サイトを見れないようにしておきなさい。
わずか5人の人間の意志でこの世の情報が有害かどうかを決められ、それを見られなくさせられるばかりか削除命令を出す権限まで与えるという恐ろしい法律。完全に思想統制、戦前の特高警察のようなものを作ろうとしてるようです。
ウェブサイトを会員制にしろとか、逆らえば削除だとかむちゃくちゃすぎます。
そもそも国内でそんな制限を加えたところで、海外サイトにはまったく効果が無いわけです。海外への接続まで封じるつもりでしょうか?
それではまるで共産主義国家の情報統制そのものです。
さすがに海外接続封鎖は無いだろうと考えると、今度は逆にこの法律の意味がまるで無くなることに気付きます。
海外サイトが相変わらずならそこにアクセスすればいいだけですから。
たとえば有名な巨大掲示板である2ちゃんねるなどもアメリカにサーバがあるという話は有名です。実は2ちゃんねるだって海外サイトなわけです。この法律では2ちゃんねるを未成年に見せなくする事はできないでしょう。
フィルタリングソフトにしても、回避手段はいくらでもあります。未成年の間で回避手段が流通するだけで終ってしまうでしょう。
ようするに税金を使って無駄な仕事を発注する事になるわけです。
あきらかな税金の無駄使いです。
時代遅れでリテラシーも無い政治家たち
有名なアルファブロガーの一人である池田信夫さんは以下のように書いています。
12年遅れでネット規制に乗り出す自民党インターネットの歴史を知っている人ならすぐ気づくと思うが、これは1996年にアメリカで成立した通信品位法(CDA) と同じだ。これに対して消費者団体ACLUが訴訟を起し、1997年に連邦最高裁で違憲判決が出て、CDAは葬られた。それ以来、この種の規制は表現の自由を侵害するもので、公権力は介入すべきではないし、その効果もないというのが世界の常識だ。インターネットには国境がないのだから、国内法でそんな規制をしても、有害情報の圧倒的多数を占める海外のサイトは取り締まれない。今時こんな時代錯誤の法案が国会に出されるのは日本の恥だ。
なんとほぼ同じ内容の法律が12年も前にアメリカで一度成立し、憲法違反で消えているというのです。
要するに自民党は過去の海外事例をまったく調べてないということでしょうか。
では民主党はどう動くのかと思っていたら、自民党とほぼ同じのようです。
ネット規制を競う自民・民主・総務省民主党の法案なんてだれも関心を持たないだろうが、これは先日の自民党のネット規制法案とほとんど同じ内容だ。つまり民主党案が出ると自民党案も出され、両党の協議でネット規制法が、今国会で成立する可能性が高い。
自民党も民主党もこぞって税金の無駄使いが好きなようです。
恐らくこの法案が無駄になるということすら理解してないのではないでしょうか。
彼ら政治家の多くは50代60代以上の年寄りばかりです。インターネットのイの字も知らないような人たちでしょう。
車を見たことも無い人たちが道路交通法を作るようなばかげた状況にあるわけです。
この法案の実質的な首謀者と見られる高市早苗議員は、先日も情報統制に繋がる可能性が高いとして大きな話題になった児童ポルノ禁止法とセットでやろうとしてるようです。
「児童買春・児童ポルノ禁止法」改正案作りに取組んでいます。もちろん子供たちを守ることは大切です。ネットを見てたらいきなり性的な映像が出てきたり、むごたらしい写真が出てきたり(いわゆる「精神的ブラクラ」)するのは望ましくはないでしょう。
しかしそのような表面だけ見てネットの本質を見誤るから、こういうおかしな法案ができあがるのです。
こんな法律より2ch専用ブラウザの精神的ブラクラ回避機能のほうがよっぽど役に立ちます。
なぜ彼らは実際にネットを活用してる人たちや、ネットを作り上げてる人たちの協力を得ず、頭から押え付けようとするのでしょうか?
そうしてる間にもブログや掲示板で代替手段が議論されたりしているのに。
本当に子供たちを守る方法
たとえば、このような記事があります。
[提案]青少年を守る、携帯フィルタリングよりも有効な手段さて、携帯フィルタリングよりも有効な、青少年保護の手段。
その具体的な方法とは、
未成年名義の携帯電話にかぎり、
電話とメールの相手先に制限をかけること。
これだけだ。
詳細はリンク先を見て頂きたいのですが、実に説得力があるアイデアです。
この他にも、パソコンを子供の部屋にはおかずにリビングに置き、大人がいない時間は使わせない、というだけでもかなり効果があります。
子供たちは自分たちが見ちゃいけないものを理解していますから、大人と一緒の空間にいるうちはそういうサイトへは行きません。
2ちゃんねるのような掲示板に張られる画像の類は、2ちゃんねるまとめブログを経由して見ていると管理人が弾いたり注意書きを添えてくれたりしているので、かなり安心です。
直接掲示板に行って議論するような子供であれば、むしろそういったフィルタリングは成長を阻害する害悪になるでしょう。
こういったことは実際にネットを活用してる人間に聞くのが一番です。そしてネットを活用してる人間はネットにいます。
なぜ政治家たちはネットに来て我々ネットユーザーに聞いてくれないのでしょうか。質問サイトでも2ちゃんねるでもいいから、思い込みだけで行動せずに聞いて考えてくれればいいのに。
それをしないというのは、利権や天下りを狙ったものと思われてもしかたが無いでしょう。車を見ずに道路交通法を作ろうとしてるわけですから。
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