30秒の目の運動だけで記憶力が良くなる
「えっと、アレ何て言うんだっけ?ど忘れしちゃった、なんだっけ?」
「アレだけじゃわからないよ」
言葉が思い出せなくて、こんな会話をすることはありませんか?
単なる記憶の低下なのですが、ちょっとした目の運動でこういった記憶を呼び戻したり、記憶力を高めることができるそうです。
簡単な方法なのですが、目を左右に30秒ほど動かすだけで、記憶力を高めるという実験結果の報告が出ています。
目を水平に動かすと脳内の両極が相互に刺激され、言葉の記憶のいくつかを取り戻すのに役に立つそうです。
現在までの報告によると、目の水平な動きは特定の言葉を思い出すための記憶力を高める、と報告されていますが、マンチェスター・メトロポリタン大学のアンドリュー・パーカー氏はさらに、この水平な目の動きが言葉のソースを見極めることの関連性を調べる実験を行っています。
例えば、聞いた言葉を見た言葉と勘違いしないかどうか、というようなことです。
実験では、102人の大学生を使い、録音したもの(15個の単語 × 20セット)を聞かせました。それらの言葉の中には引っかけ問題が入っており、例えば「針」という単語を連想させるような、「糸」、「目」、「裁縫」、「鋭い」といった意味の言葉がありますが、「針」自体は出題されていません。
リストを聞かせたあと1グループには目の左右の動きを、次のグループには目の上下の動きをさせ、3つ目のグループには何もさせません。
その後、聞いた言葉を思い出させて、「針」を答えた者は頭で考えた言葉と聞いた言葉の区別がついていないということなので、エラーとします。
その結果、左右の動きをしたグループに聞いた言葉を一番よく記憶しており、エラーが他のグループよりも15%少なかったそうです。
このことから目の左右の動きは言葉のソースを見極めることにも役立っているようです。この実験と直接関係はないですが、同じことをトレド大学の心理学者クリストマン氏も認知科学(Brain and Cognition)の4月号で発表しています。
ただし、パーカー氏によるとまだ目の動きと記憶をリンクするメカニズムに関しては、まだまだ憶測の部分も多く、どのように記憶に影響しているのか、さらに研究を進めていく必要があるとしています。
クリストマン氏はかなり多くの質問を受けるそうで、例えば買い物に行き、車の駐車場所を忘れてしまい、そのときに左右に目を30秒動かすのは効果的なのかなど、この目の動作は生活の他の部分でも役立つかどうかを尋ねられるそうです。
まだそこまでは明らかではないそうですが、やってみる価値はあるかもしれないですね。
Moving Your Eyes Improves Memory, Study Suggestsより
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