アブノーマル?とんでもない愛し方や子作りをする10の動物・生物
性癖とでも言うのでしょうか。
人間にも時折変わった人がいます。
しかし生物の世界はさらに不思議で満ちており、なかなか不可解で面白い行動が結構あるものなのです。
異性の気を引くとき、交わるときなど、一風変わった生態や習性をご紹介します。
1. イカ: 1日中Sexをする期間が2週間続く
頭足類であるイカは、くるくると交尾ダンスをしながら交配を始めます。産卵をする場所(直径約200m)の周りを延々と交尾しながら回り続けます。
休憩はメスが卵を産み落とすときだけで、それが終わるとまたこのダンスに戻ってきます。日没後は沖に移動しペアで食事と休憩をしますが、日の出と共にまた同じ場所に戻り、同じことを繰り返すのです。
2. アデリーペンギン: 石をメスの足元に転がすことによって相手を征服する
ペンギンは一般的に夫婦の絆の強い動物ですが、移住する習慣のあることから、離れ離れの期間も長いのです。移動が終わりペアに戻るとき、胸と胸を重ねて頭を後ろにそらし、翼を震わせながら大きな声で歌います。
そしてペアとなって二週間後に交尾を始めます。オスはその気があることを、頭をメスの腹の上に乗せて知らせます。それから夫婦でプライベートな場所を求めて長い距離を歩きます。
実際の交尾はたった3分しか掛かりません。そして雄、雌のどちらもその年はもう交尾をしないのです。アデリーペンギンのオスは100万羽ものペンギンが集まる群体から一羽のメスを選びます。そして選ぶとメスの足元に小石を転がして知らせるのです。
繁殖期には石壁を使って巣を作ることから小石が不足し、奪い合いをしたりします。メスがオスから石を受けとると腹を重ねあって歌を歌うのです。
3. フェレット: 興奮するとダンスする
別名シロイタチとも言われるフェレットが興奮すると、イタチ特有のダンスを始めます。
まるで狂ったように横にぴょんぴょんと跳ぶことを繰り返します。それも体をアーチのように曲げたり、嬉しそうな声を上げながら踊ります。このダンスは多くの場合、楽しく遊んだあとや何かおもちゃになるものを得たときにするのです。
このダンスはまるでフェレットが何かを恐れているようにも怒っているようにも見えますが、ただ興奮しているだけで通常人間には害はありません。
4. ヒメバチ: 他の虫を拷問する
ヒメバチはホラー映画を彷彿とさせるハチで、餌食となる虫(青虫など)を見つけ、卵をその体内に産み付けます。
さらに殺すことなく、虫の体を麻痺させるために毒を体内に注入します。そしてアオムシを生きたまま食べていきます。長く生かしておけるように、脂肪分や消化器から食べていき、心臓や神経は最後まで残しておきます。
当時の自然神学では、自然の研究は神の慈悲を実証する一つの方法である、という考え方をしていました。しかし恐ろしいヒメバチの生態が自然神学と大いに矛盾することから、ダーウィンはアメリカ人の植物学者アサ・グレー氏に宛てた手紙の中でこう書いています。
「情け深く全知全能の神が、生きながらえたまま青虫を食べるヒメバチを創造したとか、猫がネズミをもてあそぶように創造したと、自分を納得させられずにいる」
5. ヤマアラシ: どうやって交尾するの?
欧米ではこの針だらけの体のヤマアラシが、どうやって交尾するかは定番のジョークになっており、「どうやってするのだろう?」「とても用心して」なんてやりとりを見かけます。しかし実際は危険というよりは、かなり変なのです。
まずメスが受精できるのは1年のうち数時間だけです。その時期になると食事をしなくなり、オスのそばにじっとしており、物静かにブスっとしています。反面オスは他のオスに対して攻撃的になり、自分の選んだメスの尿をかぎまわります。
メスが不機嫌そうにしている中、オスは準備が出来ると歌を歌い始めます。ここでメスが準備ができていなければ、走って逃げていきますが、そうでなければ向かい合って腹を重ね合い、ここでオスは流れるほどの量の尿をメスに噴射するのです。尿をかけられたメスは頭からつま先までぐっしょりと濡れます。この尿のスプレーは2mも飛ばすことができます。愛しあうヤマアラシのカップルを見たら近づかないことをお勧めします。
6. イブクロコモリガエル(カモノハシガエル): 自分の卵を飲み込む
このカエルの変わった特徴はメスの子育てのしかたですが、体外受精のあと何とメスが卵を飲み込んでしまうのです。1984年に絶滅してしまったことから実際には卵を飲み込んでいたのか、おたまじゃまくしを飲み込んでいたのか定かではないとされています。
絶滅の原因は、近年話題になっているカエルツボカビ症のためと言われています。致死率が非常に高く対策が見つかっていないため、、世界中の両生類がこの病気のために絶滅に追いやられているそうです。日本でも検出され、今後カエルが激減するのではないかと心配されています。
7. 赤ガーターヘビ: 乱交がお好き
この蛇は割りと小さくて毒を持ち、カナダやアメリカの北西部に棲んでいます。彼らの変わった交尾のしかたは、盛大な乱交が行われることです。
25000匹が一斉に大きな洞穴に集まり、そこらじゅうを這いながら交尾を始めるのです。1匹のメスに対して100匹のオスが寄ってたかって狙い、その重なり合う高さは60cmほどにもなります。そんな山の下でメスは潰れてしまうこともあります。にもかかわらずオスは交尾し続けるのです。
8. カバ: 排尿や排便によって引きつける
カバはカバ独特のアロマセラピーを利用するのですが、排便や排尿によるなわばりのマーキングによって相手を魅了します。恋に落ちたカバは尻尾を小さくプロペラのように回し、このアロマのような匂いの茶色い液体を飛び散らします。これにつられて二匹は水をはね飛ばして前戯を行います。そして本番に入るのです。
9. チョウチンアンコウ: 相手の匂いをかいで近づき二度と離れない
「生涯愛することを誓いますか?」浮気をしない動物10種類 という記事でも出てきましたが、オスのチョウチンアンコウは生まれながらにして嗅覚が非常に優れています。水中でもうまくかぎ分けることができるのです。
彼らにはほとんど消化器官がなく、独立して栄養を取り入れることができません。すぐにメスを見つけ出さないと死んでしまいます。
そしてメスのチョウチンアンコウの横腹に噛み付きます。その際、自分の口のまわりの皮膚とメスの体を消化してしまう酵素を発し、血管レベルまで融合してしまうのです。その後は単なる精子を放つ生殖腺に過ぎないというくらい萎縮していきます。
10. ヒゲダニ (Histiostoma murchiei): 自分の夫を創り出す
ヒゲダニの一種であるメスのダニは、自分の夫を創り出します。産卵した卵は受精を必要とせずに育っていきます。母親は生まれて数日の息子たちと交尾し、そのことで息子は早く死んでいくのです。
生態の研究は非常に奥が深いだけでなく、残酷な面もあると思わずにいられません。
ダーウィンの苦悩も理解できる気がします。
10 Craziest animal behavior より
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様々な観点から面白い
読みやすく面白いが
生物学、解剖学に興味のある方にお勧め