チャット相手の少女を助けに行ったつもりが誘拐犯として逮捕される
「二度とインターネットのチャットなんかしない」
17歳のイタリア人少年がイギリスで逮捕され、1ヶ月もの間、収容されながらそう思ったそうです。
ことの発端はマルコ・アコリーニという少年がチャットルームで、イギリスに住むパキスタン系の15歳の少女アルマと出会うところから始まります。
チャットの会話でこの少女は、いかに自分が不幸なのか、そして母親がひどい仕打ちをするので自殺をしたいと、少年にほのめかしていました。
そこでクリスマスに少年マルコの家族は少女アルマに、彼らの住むフィレンツェに遊びに来ないかと申し出ます。しかし少女の母親は失職したばかりで、それは不可能との返事。
非常に心配をしたマルコと彼の父親は、先月イギリスのブリストルへと飛び立ちました。父親は「少女が大丈夫かどうか、助けることはできないかと思った」と述べています。
到着したスウィントンの宿泊先から少女の家に電話をし、少女の母親に家を訪問してよいかどうかを尋ねます。そのときの母親の応対は非常に丁寧であったと、マルコの父親は後に語っています。
しかしながら、その後すぐに2人は未成年誘拐未遂の罪で逮捕されてしまうのです。
「ひどい誤解によって、とんでもない状況に陥ってしまった」とアコリーニ氏は言います。
父親は刑務所へ、息子は少年院へ送られてしまいました。
この親子の誤解が解けたのも、「ロンドンのイタリア大使館が介入してくれたおかげ」と非常に感謝しており、マルコは「政府の助けがなかったら気がおかしくなっていた」と後に述べています。
この数週間で思わぬ成長を遂げてしまった彼は、もう二度とチャットをしないと伝えているそうです。
いきなり見も知らぬ外国人の男二人連れが、15歳の娘に会いたいと言ってきたらと考えると、母親が怖がって通報してしまうのもわからなくはありません。
男女間の違い、国際的な文化の差異、外国語によるコミュニケーションの壁などが入り混じり、親切な気持ちが裏目に出てしまったケースですが、人があまり親切でなくなっていくのも、こういうことがあるからではないかと思うと、考えさせられてしまいますね。
Chat room youth and a good deed that went badより
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