クリスチャンという名のライオン…野生にかえし1年後に再会(動画)
ある人間とライオンの物語です。
二人の男性がライオンの子を引き取ったのですが、大きくなりすぎて野生に還すことになりました。
そんなライオンと人間の愛情が垣間見える素敵な動画がありましたので、ご覧ください。
テレビのドキュメンタリーで放送されたものだそうですが、このライオンは1969年にジョンとエースの二人がハロッズで購入したものだそうです。
もともとはラクダを買う二人の友人に付き添って、エキゾチックな動物コーナーというところを見ていました。
ラクダを欲しいという友人に対して、店員は落ち着き払った様子で「こぶはひとつがよろしいでしょうか、ふたつがよろしいでしょうか」と提案しているのを聞きながら、商品の交渉でそんな風変わりなやりとりは聞いたことがないと思ったそうです。
そんなさなか小さな檻にライオンの子供を見つけます。エースとジョンは顔を見合わせ、何とかしないといけないと思い立ったのです。
同じく店側でも、このライオンが隣のカーペット屋へ逃げて相当な被害を出すなどしていたため、できるだけ早く手放したがっていました。
そうしてクリスチャンのロンドンでの生活が始まったのです。
クリスチャンは自分のスペースをもらいました。大きめのトイレも問題なく使っていたそうです。
近所の神父さんが教会の敷地内を吠えたり走り回ったりするのに使わせてくれたそうです。
当時のことをジョンが言うには、とても手がかかり、常に4人くらいで順番に面倒を見なくてはいけなかったそうです。
食べる量も多く1日に4食ほど食べ、一週間に30ポンド(当時はポンドの値打ちはとても高かった)ほどかかっていました。
野生に返して一年が経ち、二人はクリスチャンに最後の別れを伝えるために訪ねます。クリスチャンは彼らのことを憶えていないだろうと言われていました。さらにクリスチャンにはすでにメスライオンのパートナーと子供たちがいるのです。
しかし、クリスチャンは二人を見て、確信をしたようで二人にゆっくりと近づいてきました。飼っていたときにしていたように、前足を肩において抱きついてきました。彼らも見ている人もみんな涙でいっぱいだったそうです。
メスライオンが遠くからうなったのを聞いて危険を感じ、いったんその場をクリスチャンと共に離れました。
その久しぶりの再会の興奮は翌朝まで続き、クリスチャンは彼らを寝かせてくれなかったそうです。
そしてクリスチャンは百獣の王としてのプライドを持って、また野生に帰っていきました。
それがクリスチャンを見た最後だったと言います。
今日のイギリスではもうライオンや他のエキゾチックな猛獣が店で売られているなんてことはありませんし、獰猛な動物を飼うことも一般的に無理ですが、この変わった生活を営んだライオンと人間の交流には、確かな愛情が存在しました。