頑固ばあさんが地上げ屋に勝った日

シアトルに住むエディス・メイスフィールドさん86歳は、地上げ屋にも負けず、彼女の家の区画だけを残して、周りは建設が進むという居座りおばあさんで有名でした。
価値のなくなった土地と家に対して不動産建設会社から高額買取りの申し出がありましたが、彼女はいとも簡単に拒否し、いつまでも居座り続けました。
そしてとうとう先日、自分の希望通りそこで亡くなったのです。
2年前、彼女の住んでいた家は築106年で、家そのものにほとんど価値はありませんでした。

政府の査定で家屋にはたった8000ドル(約80万円)の査定しか付かず、土地のほうも10万1000ドル(約1000万円)という評価。家の前は化学工場など廃棄物もあり、住宅として適していない不人気の場所でした。
しかしながら不動産会社は当時84歳のメイスフィールドさんに、この価値の低い家を100万ドル(約1億円)で売って欲しいと申し出たのです。
あまりの高額に周りはびっくり。それだけでも一大ニュースですが、なんと彼女はあっさりそれを断りました。
彼女にとって、お金は何の意味もないと一蹴したのです。
それ以来彼女の区画を囲むように建設が進められてきました。工事の音などかなり大きいのではないかというインタビューにも、「第二次世界大戦を乗り越えたのよ。音なんて気にならないわ」と全く気にする様子もありませんでした。

そんな彼女がその家でお亡くなりになられました。
彼女のあまりの頑固さに、周りは感心したり応援したりしていたのですが、自分が希望していた通り自分の家で亡くなったことはよかったのではないかと伝えられています。
2年前のインタビューでは「私はここで幸せよ。引っ越したくないわ」と言っていました。
偏屈ではあるかもしれませんが、「最初に買った車をいまだに乗り続ける84歳のおじいさん」のように自分のこだわりを貫き通す人生に、ちょっと憧れてしまいますね。
Ballard woman held her ground as change closed in around herより
総合法令出版
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