「振られた彼女を友人が誘拐」→「救出して彼女惚れなおす」予定が猫におびえて失敗

間抜けな泥棒の事件をたびたび紹介していますが、間抜けな犯罪は泥棒に限ったことではありません。
どこか間が抜けたと言いますか、ちょっと風変わりな誘拐事件がありました。
ジェームス・ウェイクフィールド(28歳)は、彼女とよりを戻したくて、ある計画を立てました。
友達に彼女を誘拐させ、自分が彼女を助け出すヒーローになり、彼女に惚れなおしてもらう、というものです。
ジェームスは女性を誘拐して森へ連れ込むように、友達のアーロン・ローソンに2万ポンド(約420万円)を提示しました。

女性を脅すときには顔や声がわからないように、人気SFテレビドラマ「ドクター・フー」で出てきたダーレックというロボットのボイスチェンジャー・ヘルメットを使い、声色を変える計画でした。
そして誘拐した現場へジェームスが現れ、彼女を救出して彼女の気持ちがまた彼に戻る…という稚拙な発想です。
アーロンは当初、ジェームスが冗談を言っているのだと思っていましたが、40ポンド(8500円)するヘルメット、暗視ゴーグル、手錠、空気銃、覆面、作業用つなぎ服、ナイフセットを持って現れたのでした。
裁判所で明らかになりましたが、アーロンは彼女の喉元にナイフを突き付け、縛り上げて車のトランクに載せ、森に連れ込むことになっていました。
ところが最初の実行時、アーロンは猫にびっくりして逃げだしてしまったのです。
さらに2度目の犯行を
ジェームスは彼女に振られる前に半年ほど同棲していましたが、クリスマス前に関係を終わらせようと彼女から言い渡されていました。
この事件で彼は誘拐の共謀を否定しましたが、14ヶ月の禁固刑を言い渡されました。アーロンのほうは18ヶ月の執行猶予付きで9ヶ月の有罪を言い渡されました。
刑については妥当ではありますが、助け出してヒーローになれば彼女の心が戻るのでは、という中学生的な性格こそが、振られた原因という気もします。
やっていることは許されないことですが、猫におびえる誘拐犯なんてドロンボー一味のような滑稽さがありますね。
Dalek-voice changer at centre of bizarre kidnap plot - Telegraphより