治安悪化のメキシコ、ついに体内に埋め込むチップが発売
日本の安全神話も崩壊したと言われ、毎日のように凶悪事件のニュースを目にするほどですが、治安が悪化してきたとは言え、海外の治安の悪さに比べると、まだまだ平和な国であることがわかります。
近年、特に治安が悪化している国のひとつにメキシコが挙げられます。どんな風に悪いのかというと、誘拐が非常に多いそうです。
2004年から2007年の間にその数は40%も増え、去年一年で誘拐された人数だけでも6500人にも及ぶと言われています。さらに今年に入ってからすでに2700人が殺されています。
数字にピンと来ない人でも、あのコロンビアやイラクを抜いて世界一、と聞けばいかに治安が悪いかわかるでしょう。国民が常に死に怯える状態なのです。
Times Onlineによると、ほとんどの犯罪は麻薬売買に関連するマフィアとつながっており、政府や警察も腐敗し、事件に関与しながら何ら措置をとらないことで民衆の不満は高まっているそうです。
そして、ついにセキュリティ会社が体に注入するチップの販売を始めました。
クリスタルケースに入ったこのチップは米粒ほどのサイズで、注射式の注入によって埋め込みます。このチップが衛星に向けて発信し、位置を追うことができるというものです。
通常は腕に埋め込まれ、値段は4000ドル(約43万円)+年間2200ドル(約24万円)かかります。高額ではありますが、腕時計1個のために誘拐や殺人が起こるような情勢ですから、背に腹は変えられないのです。
流通する麻薬と、簡単に銃が入手できることが犯罪を増加させており、政府のとる対策はほとんど何の効果もあがっていません。
これを反映して、先日、凶悪犯罪を減らす対策を政府に求めるデモ行進が行われました。
メキシコ各地から集まった数十万の群集は白い服を着て、「もうたくさんだ」、「メキシコを救え」、などの文字を掲げて行進しました。
抗議に参加した人たちの中には大勢の被害者の家族がおり、息子を誘拐されて身代金を払ったあとに息子を殺されたビジネスマンや、娘が誘拐され安否がわからない医師、さらに銃を突きつけられ店番をしてしていた妻が連れ去られるなど、凶悪犯罪のターゲットになった人々が怒りをあらわにしていました。
メキシコの人口は1億人で日本よりやや少ないくらいです。そう考えると年に6500人が誘拐され、殺されている数字がどれだけ異常なのがうかがえます。
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釈然としない
まあまあのところで・・・
読みやすいが内容は深い
犯罪は増えていないのに増えていると思われているのはなぜか