この50年間で変わり果ててしまったこと
年が過ぎるのも早いですが、物事の移り変わり方もまた激しいものです。
10年ひと昔とは言いますが、50年ともなると法律や考え方まで大きく変化してしまうようです。
生まれた時代が悪いのか、悪人が増えて規則が増えたのか、50年前と今との違いを、シナリオ別にアメリカのケースでご紹介します。
シナリオ1
ジャックは学校に行く前にウズラ狩りに行き、短銃を車のラックに載せたまま学校の駐車場に停めました。
1957年: 教頭先生がやってきてジャックの短銃を目にし、自分の銃をジャックに見せようと車に取りに行く。
2007年:FBIが呼ばれ、学校は閉鎖、ジャックは刑務所へ行き二度と自分の銃やトラックを見ることもない。トラウマになった生徒や先生のためにカウンセリングが行われる。
シナリオ2
ジョニーとマークは放課後、殴り合いの喧嘩をする。
1957年: 人だかりが出来る。喧嘩はマークが勝ち、二人は握手して仲良くなって終わる。
2007年: 警察が呼ばれる。特殊部隊が呼ばれる。ジョニーとマークは逮捕される。暴行罪で起訴され、ジョニーが始めた喧嘩で二人とも退学処分。
シナリオ3
ジェフリーは教室でじっとすることができず、他の生徒の邪魔をする。
1957年: 校長室に呼ばれる。校長先生にぴしゃりと叩かれ、教室に戻り、そこからは他の生徒を邪魔することはない。
2007年: ジェフリーは多動症やうつ病の薬であるリタリンを服用させられ、ゾンビ状態になる。 注意欠陥多動性障害のテストを受ける。学校側はジェフリーの障害のための補助金をもらう。
シナリオ4
マークは偏頭痛持ちなので頭痛薬を学校に持ってくる。
1957年: 喫煙場で校長先生に頭痛薬を分けてあげる。
2007年: 警察が呼ばれ、マークは麻薬所持で退学処分。麻薬と武器を所持していないか車内捜索。
シナリオ5
ペドロは英語で落第。
1957年: 夏季学校へ行き、及第して大学へ進学。
2007年: ペドロのケースは州へ報告され、新聞に取り上げられ、英語が必修科目なのは差別だと言う問題にまで発展。アメリカ自由人権協会(ACLU)は学校に対して裁判を起こす。英語はカリキュラムから外され、とりあえずペドロには卒業証書が与えられ、最終的に英語が話せないので、人の家の芝刈りをして生計を立てる。
シナリオ6
ジョニーは7月4日の独立記念日で使われた残り物の火薬を、ペイント瓶に詰めて赤アリの巣を爆破する。
1957年: 赤アリが死ぬ。
2007年: アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(BATF)や警察が呼ばれ、ジョニーは国内テロ行為で起訴される。FBIは兄弟を家庭から隔離した上で両親を捜査、コンピューターは没収される。ジョニーの父親は危険人物として監視下のリストに入り、飛行機には乗れなくなる。
シナリオ7
ジョニーは休憩時間に走っていて倒れ、ひざを擦りむく。泣いているところを見つけた先生に抱きかかえられて慰めてもらう。
1957年: 少し経つとジョニーはすっかり気分がよくなり、また遊びに戻る。
2007年: 先生は児童を性的対象にしたと非難され職を失う。彼女は3年の禁固刑を受け、ジョニーは5年にわたりカウンセリングを受けることになる。
シナリオ8(実話)
1986年: 学校のハンバーガー調理実習をしていたラット(仮名)は、特別な材料としてカフェインを足した。女の子たちはそれを食べて変な味がすると伝える。ラットは校長室に呼ばれその後絞られる。
2007年: 警察が呼ばれる。毒物検査が行われ、ラットは学校から退学処分を受けた後、薬物違反で刑務所行き。当然麻薬と武器を所持していないか車内捜索。
さすがに大げさなところはありますが、可能性が無いとはいえないのが現代社会の恐ろしいところです。
日本の学校はより閉鎖的なのでここまでではないでしょうが、アメリカ並になるのも時間の問題かもしれません。
安全を意識するようになったのか、物騒になったのか悩ましい問題ではあります。
Small Bits & Pieces: How 50 YEARS changed usより
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