リーマン・ブラザーズ破綻、海外サイトに殺到するコメントは…
世界各国がトップニュースで扱うリーマン・ブラザーズの破綻ですが、すでにアメリカを始め、ヨーロッパ、アジアと世界の株式市場は過去数年で最悪の下落をしています。
リーマンの社員も解雇通達が急だったようで、自分のオフィスやデスク周りを片付け、長年働いたビルを慌しく出ていく映像が伝えられました。
巨大倒産による世界経済への影響は必至で、欧米サイトでも今後どうなってしまうのかという書き込みが後を絶ちません。
海外ではどんな書き込みでにぎわっているのかを、ざっとご紹介します。
・豚は飛べないだろう。だが実際に倒産する豚会社はイギリスやアメリカの会社なんだ。豚は誰なんだ? エラディオ(トレド、スペイン)
・自由市場に文句言うのはやめてほしい。うまくまわってると思う。バカな取引をした会社は失敗し、賢明でない投資をした個人は資産を失う。資本主義の極上の時よ。政府は介入しないで。 ローラ(ロンドン、英国)
・ローラへ: そんなのはたわごとだね。短期的なの欲の追求のためにイギリスだけでも何千人もの人が解雇される。現実の金から仮想の金への移し替えが支えきれない借金に成長して、それを僕らが支払わなくちゃいけない。 ジェイ(オックスフォード、英国)
・資本主義の極上の時だって?企業は取引なんかしない。企業の役員たちが個人のボーナスのために短期的な利益ばかりを求めた結果だ。長期的なリスクもわかっているだろうが、倒産するころには自分たちの金が貯まっているわけだ。実際に損をするのはその企業に金を預ける投資者たちさ。大きな報酬は10年間の利益を見てからにするべきで、かつ会社が失墜するときは返金制にすべきだね。 S・グリーンハル(スタフォード、英国)
・これは西欧の銀行システムの終焉だね。システムをもっと透明化すべき時期だし、銀行と預金者のリスクを公平にすべきだ。 サム(グラスゴー、スコットランド)
・欲にまみれて取引をしてきた者たちや銀行頭取たちに同情はしないが、現在まで経済を支えてきた一般の中流労働者たちが何千人も失職するのを見て悦に浸っている場合ではないと思う。 ピーター(フランス)
・これはいったいどこへ向かってるんだろう?誰か止める人はいるのか?もう始まったのか、それともこれから始まるのか。本気で明日のことが心配だ。 レック(ロンドン、英国)
・ボーナスを自社株でもらってる人は何億がパーになっただろう。 スチュワート(ロンドン)
・偉人の言葉にこうある。「潮が引いたら、そこには裸で泳いでいる人がたくさんいた」 次は東のほうの銀行も危ない。 ジェレミー(サセックス、英国)
・ロンドン証券取引の株価指数を見ると、イングランド銀行が200億ポンド(約4兆円)も投入したあとで、さらに下落が続き5000まで下がったことを示している。ところでこの200億ポンドはどこから来てるんだ? H E トランス(ロンドン)
・世界は確実に恐慌へと向かっている。景気後退とか革命といったレベルの話ではない。そもそも地球上には決まった量の土地、水、食料、燃料、鉱石、石油しかないのに人口は膨れ上がりすぎている。そこで銀行は別の銀行に貸す金のことを心配しているわけだ。ゲーム終了だよ。 ジョン(フィンランド)
・我々の経済はもちろん下落していくでしょう。さらにそれがいつなのか、どのようになのか誰も知らない。 Pang(中国)
・これは世界の終わりでも、資本主義の終わりでもなく、前もって問題処理に目を向けなかったリーマンの終わりよ。 ジェニー(ロンドン)
・スチールやガラスの箱の中で何が起ころうと、とにかく収入より支出を少なくしろということだ。 フランク(ソリハル、英国)
・どんな種類の投資でも、始めたらとにかくそれを追って監視するべき。投資先の行動が気に入らないなら自由に投資先を変更できる。面倒だと言うのは言い訳にはならない。投資した人もつぎ込んだ量より多くの見返りを期待していたのだから無罪ではない。 ローラ・ロバーツ(ロンドン)
・問題は経済分野ではそのバカな取引をした者が失墜せずに、我々の税金によって逃げおおせることだ。だから同じ間違いが何度も起こる。他の分野なら責任を取るべきことなのに、被害を受けずに済むからだ。 グラハム(バーミンガム、ロンドン)
・ポジティブに考えよう。大半の銀行員はとてもいい家に住んですごいボーナスをもらっている。 ジェイ(バーミンガム)
・この運営をしてきた高度な教育を受けた銀行家たちは、実はすごいバカだったってことだね。最初に誰が彼らにその仕事を与えたんだ?幼稚園の子供グループでももっとましだったんじゃないか? マル(ロンドン)
・「企業がバカな取引をすると失敗する」って、経済市場のわかっていない人が多いことに驚きだ。基本的に銀行は市民に金を貸し、その市民たちにお金がなく、仕事も、資産もなく、その借金で銀行は崩壊する。 エルシノア(ロンドン)
・農業株からテクノロジー株までパターンは一緒だよ。今回搾り取られたのが銀行株だったというだけさ。世の中は進むし、銀行株は過去数年で20%〜30%下落したので、また時間かけて戻るだろう。1ヶ月か2ヶ月経ってまた落ち着いたころにオレも参加だ。 デイブ(ミッドランド、英国)
・銀行家たちは、バブル時代に儲けたボーナスで生き延びるだろう。銀行に投資していない限りね。僕?何の利益も生み出さなかった投資のために支払った手数料の傷口でも舐めておくよ。 リチャード(ターントン、英国)
・経済ジャーナリストと銀行投資家は仕事を交換したらどうだろう。どうせこれ以上悪くならないだろうし、今朝読んだジャーナリストの分析はなかなかの改善案だったよ。 ゴードン(ノーザンプトン、英国)
・メディアはヒステリックになるのをやめるべきだね。この株の下落は資本主義がうまく回っているということで、投資家たちが会社の真実の価値を知らされているということだ。巨額な現金を貸す銀行の株を買えば、そのリスクも一緒に背負うということ。 ポール(コベントリー、英国)
Times紙は英国のメディアなので英国内からの読者コメントが圧倒的に多いのですが、パニックという風でもない落ち着いたコメントが目立つのは国民性を表している気もします。アメリカ企業の話なので、まだ対岸の火事ということかもしれませんが。
ただしリーマンに勤めていて解雇を知らされた会社員たちは、ショックを隠しきれない人も多かったようです。大半は口を硬く閉ざしていますが、建物の外では幾人かがBBCのインタビューに答えていました。
リーマンのトレーディングフロアに勤めていたカースティ・マックラスキー(32歳)
「もうこれが最後になる。みんな片付けているわ。とてもひどいわ。まるで大きな地震のよう」エドワルド・アーチムバウド(24歳)
「リーマンが破綻すれば他の銀行のように、政府が援助すると思っていた。これからどうするかまだ考えていないよ。家賃は6か月分の契約だが、どうやって払うかもまだわからない」彼はフランスから来て、この日から仕事をすることになっていたらしく、自分の机にたどり着く前に解雇されてしまったそうです。
ドゥオ・アイ(26歳)
「銀行の中は混乱していて、みんなショックでデスクを片付けているよ。僕らは想像してなかったからね」彼によると社員の給料は金曜日に支払われることになっていたそうですが、それがなくなるか心配しているようです。
アンディ・ベヴァン(27歳)は昼ごろ正式に伝えられたと言っています。
「ありのままだよ。ただ僕がラッキーなのは扶養家族も家のローンもないことだ。支店長たちを気の毒に思うよ、ボーナスの50%は自社株だったからね。もう僕のチームはみんな飲んでるよ」
チームによってはリーマンからの正式な連絡がないところもあるそうで、翌日から出社しなくていいのかすらわからない混乱振りだったそうです。
近年のバブルやマネーゲームのツケが噴出した格好ですが、今後、深刻な金融危機や恐慌へと繋がっていくのでしょうか。
Video: Lehman Brothers: FTSE heads to 5,000 as banks scramble for funds - Times Online
BBC NEWS | UK | 'It's like a massive earthquake'
Yahoo! Message Boards - Lehman Brothers Holdings (LEH) - As A Current Lehman Employee It Has Been A Blast
より
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これが事実ならこれほど恐ろしいことは無い
全編にオーラというか妖気が漂ってます。
タイトルには納得するが・・・