人間ではなくペットに食事を無料で支給
いろいろな事情で食事にもありつけない人に無料で提供するところを、英語で「スープ・キッチン」(Soup Kitchen)と言います。
その昔、18世紀のヨーロッパで情け深い有志の人々が、貧困で飢えた人々にパンとスープを与え始めたのがきっかけです。
しかしこのご時世、食事にありつけないのは人間だけではないと、ベルリンで犬のためのスープ・キッチンが出来ました。
この新しくできた犬専用のスープ・キッチンでは、ホームレスの犬や、失業者のペットなどを中心に、無料のエサを提供しているのです。
広がる景気低迷の影響も手伝い、非難の声もありますが、責任者のクローディア・ホルムさんはそれを物ともせず、犬より人の食事を有料にしたほうがいいと考えたようです。
彼女によると「特に他人とのつながりのない人々には、犬の役割は非常に重要になってきている」とし、「そのため犬たちが飢えないということは、人が飢えないのと同じくらい大切」だと付け加えています。
彼女の会社にはペットフードなどの企業がスポンサーになっているそうです。
そこを利用する女性の1人は、2匹の犬、4匹のネコ、1羽のウサギ、そして数匹のモルモットを飼っており、このサービスなしでは、自分自身が飢えるところであったと伝えています。
日本では、犬や猫はおろか、人間のスープ・キッチンもほとんどないことを思うと、かなり画期的なサービスに見えますね。
国内には情け深い人がいないと嘆くべきなのか、それほど貧困な人がいないと楽観的になるべきか、微妙なところではあります。
Soup kitchen opens for dogs Reutersより