モルディブが沈む前に、新しい土地を探している
地上最後の楽園とも呼ばれるモルディブは、ハネムーンなどでも人気の一度は行っておきたい南の島です。
しかしご存知の通り、ツバルなどと同様に海水の上昇でいずれ沈む危機にある環礁の島で、現在モルディブの一番高い位置でも標高2.4メートルしかありません。
そんな30万人の住民を抱えるモルディブ政府が考えている計画とは…
海水の上昇がこのペースで進めば、確実に島そのものは海底に沈むとされており、国連の予想では海水は2100年までに59cm上昇すると見積もられています。
モルディブのほとんどの場所は標高1.5メートルしかなく、モハメド・ナシード大統領によると、「気候を変えることは不可能なので、他に土地を買うより他に選択はない」とのことです。それほど大きな上昇でなくとも、多くの面積が浸水すると言われています。
購入を考えている土地の候補として、文化や食や気候などが似ていることから、インドやスリランカを挙げているようです。オーストラリアも占有されていない土地が広いことから、候補地として挙げられているようです。
このモハメド・ナシード大統領は選出されたばかりの新しい大統領で、それまでの政府への批判から、何度も逮捕・監禁・拷問を受けた経歴があり、ネルソン・マンデラ大統領を思い起こさせます。
首都マレは世界で最も人口密度の高い地域で、たった1平方キロメートルの中に10万人がところ狭しと暮らしています。失業率は20%、ヘロインが社会問題となっており、犯罪も増加しています。
このように問題は山積みの上、特に海水の上昇は死活問題なので、この大統領ならうまく避難先を確保してくれるのではと住民の期待も大きいのかもしれません。
また、日本とモルディブ共和国は伝統的に友好国で、長年にわたる日本のODA(政府開発援助)による防波堤・護岸工事の支援がなければ、首都マレはとっくに冠水し無くなっていたと言います。
温暖化の原因は先進国にあることも含め、他人事の話ではなく今後も注目していく必要がある問題です。
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 199035
トイレはどうなの?