ニセの「はり治療」でも頭痛は消える

頭痛が持病だという人は結構多いものです。
先天性やストレス性など理由はさまざまですが、原因がはっきりしないケースも少なくありません。
そういった偏頭痛には、
欧米では西洋医学に対して、東洋医学をどこまで取り入れるべきか議論になりますが、最近発表された調査では、偽のはり治療師でも偏頭痛が軽減されるという面白い結果が出たようです。
はり治療の効果についての調査の一環で、およそ7000人の患者が33の別々の実験に参加して出た結果だそうです。
ドイツのミュンヘン工科大学のクラウス・リンデ博士が、2317人に対して11回試したところ、ほとんどの人の頭痛がはり治療によって軽減されたという結果が出ました。
ただし偽者のはり師から治療を受けた人も同じ効果があったのだそうです。
ニセはり師は患者に対してわざと間違った場所にはりを刺したり、まったく刺さなかったりしたそうです。
さらに偏頭痛を持っている4419人に対して22回行った調査でも症状は軽減され、同じく偽者でも効果があったそうです。
この調査が示唆していることは、偏頭痛を持つ患者にはり治療は効果がありますが、はり師が思うほど位置と頭痛軽減には関係がないかもしれない、ということです。
今後さらに精度を変えて、患者の様子が変化するか調査が必要としながらも、偽のはり治療でも偏頭痛が軽減するのは非常におもしろい結果と言えます。
頭痛薬の服用を好まない患者には効果的かもしれませんが、症状の軽減や治癒について少し考えさせられる内容の調査結果ではあります。
そう言われてみると、ときどき無免許医が起訴・逮捕されるニュースがありますが、偽だと気づかれた理由が患者からクレームが出たからではなく、むしろ「患者の評判はよかった」というケースが多かったりしますよね。
「病は気から」と言いますし、プラシーボ効果、あなどれません。
講談社
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