空母の歴史はここから始まった…史上初の甲板から離着陸飛行する貴重な写真
空母(航空母艦)が実戦で登場したのは第一次世界大戦(1914〜1918)ですが、それ以前の1910年に、米国の巡洋艦に仮設甲板を設け、飛行機の離陸に成功しています。
ライト兄弟が初の有人飛行に成功したのが1903年なので、たった7年後の写真ということになります。
空母のひな型ともいえる、初の離陸に成功した巡洋艦「バーミンガム」、着陸に成功した「ペンシルバニア」の写真をご覧ください。
こちらが、巡洋艦「バーミンガム」"USS Birmingham"。ごく普通の巡洋艦です。
仮設の滑走台を取り付けている様子。
ちなみに設計段階から航空母艦として造られたものとしては、日本の鳳翔が最初だそうです。(1922年完成)
甲板の前で記念撮影。
なんだか鳥人間コンテストのような雰囲気。
全体を見渡した写真。
そしてみごと離陸に成功。1910年11月14日のことです。
さらに二ヵ月後の1911年1月18日、装甲巡洋艦「ペンシルバニア」"USS Pennsylvania"に仮説甲板を設け、着陸実験が行われました。
着陸の瞬間。着艦フックの考案によって着陸が可能になったそうです。
パイロットはユージン・バートン・イーリー。
よく飛んだり降りたりできるものだと感心してしまう、原始的なつくり。
カラー写真で見てみたいサンフランシスコ湾の光景。
こちらは離陸の写真。
英雄と言った扱いですが、人類が空を飛べるようになって間もない当時、パイロットは憧れと羨望の対象だったことが想像に難くありません。
パイロットの技量が相当求められることは、構造を見るだけでわかります。
歴史に名を刻んだユージンですが、10ヵ月後の飛行ショー中に墜落事故を起こし亡くなっています。
これがライト兄弟がはじめて飛んでからたった7、8年後の話。そして二度の大戦で目覚ましく飛行機の役割が躍進し、1960年代には宇宙や月まで行ってしまうのだから、20世紀の進歩の目覚ましさは異常と思えるほどです。
ドラえもんも初期設定は21世紀のロボットだったそうですが、当時の発展速度を思えば分かる気がします。実際にやってきた21世紀は、もうちょっと夢があってもいいのではと思ってしまいますね。
The first aircraft carrier (17 pics) より
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