経験はお金になるよ…と言うお話
どんな機械でも修理してしまう、凄腕のエンジニアがいました。
彼は会社に30年忠誠を尽くして働いたあと、円満に定年退職しました。
数年が経ち、会社では何億円もする機械が修理不能になったのですが、社員たちはあの手この手で修理を試みるも、どうにもうまく直ってくれません。
そこで会社は退職した凄腕エンジニアに連絡を取ってみたのです。
現役時代に数々の問題を解決してきた彼は、しぶしぶながらその挑戦を受けることにしました。
そして丸一日かけ、その巨大な機械の調査にとりかかりました。
やがて1日が終わる頃、彼は機械の構成部品にチョークで小さな「x」マークを付け、「ここが問題の箇所です」と記述しておきました。
その部分はただちに取り替えられ、機械はまた元通りに動くようになったのです。
しばらく経って、会社にエンジニアから修理料金として5000ドル(約50万円)の請求書が届きました。
会社は彼に、請求額の根拠となる内訳の詳細を要求しました。
するとエンジニアが返答した内訳は以下のとおりでした。
・チョーク1本 …… 1ドル
・どこに書いたらいいのかの知識 …… 4999ドル
経験こそが最大の財産なのかもしれません。
Laugh IT Out: Experience Countsより
「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質 (Harvard business school press)
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OJTを過剰に重視する風潮に一石を投じる一冊。経験知の重要性を論理的に説いた本
マネジメントに関する知識はディープで継承が難しい.
してはいけない経験知を持っていても、なぜまたその轍を踏むのか?
団塊の世代が会社を去る今こそ再考したい、「ディープ・スマート」伝承のための方法論