取材 / zeronpa / URL
2009年07月03日 03:43

こんな太い飛行機ありなの?…「ドリームリフター」B747-400 LCFが実際に飛ぶところを見てきた

 
ドリームリフター00

初めてこの寸胴な機体を見た人なら「こんなの本気で飛ぶの?」と思うのではないでしょうか。

世界に4機しかない、この大型貨物機は「ドリームリフター」と呼ばれ、ボーイング747を改修・改造したため胴体だけが太いという、実に不格好な形をしています。

世界各国で製造されている新型飛行機B787ドリームライナーの部品を運搬するのが目的で、ドリームリフターが日本に来るのは今のところ週に1度か、10日に1度程度。

たまたま名古屋に行く用事があるときにドリームリフターが駐留するスケジュールと重なったので、この機会に中部国際空港へ行ってきました。

ドリームリフター01

前日の昼ごろに着だったので、空港に来たときには既に駐留中。貨物機のせいか、単に港に近いからか、端っこの方に止まっていますね。


ドリームリフター02

拡大すると、特徴的なフォルムが見えます。


ドリームリフター03

あまり大きく見えない人は、逆側ターミナルに着いている中・小型機と比較しましょう。手前から、ANA A320(乗客数166席)、JAL MD-90(132席)、B737-800(167席)です。

ドリームリフターはターミナルの通路より背が高いので、その大きさが良く分かると思います。ちなみに、ドリームリフターの改造元機体であるB747-400は、ANA仕様で569席。


ドリームリフター04

こちらはアラビア語のページにあった写真で、ドリームリフターの格納庫が開いたところですが、今回は時間の都合で見られませんでした。残念。


B787ドリームライナーは、本来であれば2008年夏には運航予定でしたが、新素材・新機能詰め込みすぎ、現時点で5度目となる度重なる開発遅延で、未だに初飛行もしていません。

日米欧の三箇所で部品の生産が行われている国際開発が行われ、アメリカやカナダの組立工場へと、このB747-400 LCF Dreamlifterが輸送しています。

例えばB777などの従来機でも国際的な分担は行われていますが、B787はその比率が高く、かなり巨大な部品も日米欧間を輸送されています。

日本では、中部地域にB787関係の会社があるので、中部国際空港、通称セントレアにドリームリフターがやってきます。空港までは水上を船で輸送して、そこでドリームリフターに搭載しカナダに持っていくそうです。

ドリームリフター05

世界でも4機しかない貴重な航空機になるので、平日の金曜日の午後なのにカメラを持った人がかなりいます。綺麗なウッドデッキで、現在の日本では唯一のワイヤーの防護網なので写真撮影もしやすい親切設計。


ドリームリフター06

セグウェイに乗った警備員が見回っているのでセキュリティー的にもバッチリです。セグウェイどころか、トヨタの開発したパーソナルモビリティ、i-REALもいるので備えは万全です。きっとひったくりとかは、警備員に轢かれます。


ドリームリフター07

定刻の夕方5時30分過ぎに、ようやく動きはじめました。


ドリームリフター08

セントレアという空港は、通常の天候時は国際線の離陸機は展望デッキ前を通過するようにできているようで、お披露目をして飛び立ってくれます。


ドリームリフター09

だから、機体番号もしっかり見ることができて、機体番号はN747BC、元は中国国際航空のB-2464だった、ドリームリフター1号機だという事がしっかり分かります。型式も-400というか、-4J6になりますね。


では、夕日を背景に離陸する、B747-4J6 LCF Dreamlifterの勇姿を映像で御覧ください。

重い。最新鋭機のA380-800の離陸を見てしまったので、なおさら鈍重な印象は避けられません。というか黒い煙を噴いているような…これ、大丈夫なんでしょうか。中古の大型機を改造したDreamlifterと、新設計のA380を比較するのが間違いなのでしょうが、やっぱ無理しているなーって感じがあります。

でも、この老機が部品を運ぶことで、新世代のB787 Dreamlinerが製造されるわけです。古い世代から若い世代に何かが引き継がれていくのは、何も人間の間に限ったことでもないようですね。最後まで事故なく、名前の通り夢を運べるように頑張って欲しいです。

なお、ドリームリフター飛来情報は、中部国際空港の公式ページにあるので、見学に行くときは参考にされると良いと思います。

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