いくつ知ってる?実はこんなにあった「鬼ごっこ」の種類
子どものころ、誰もが一度は遊んだであろう鬼ごっこ。
普通の鬼ごっこから、高鬼、色鬼、氷鬼……。基本的なルールは全国共通ですが、地域によって名称やルールに若干の変化が見られるのがこれらの遊びの特徴。高校、大学、社会人と交友範囲が広がるにつれて、鬼ごっこをはじめとする幼少期の遊びの話題で盛りあがったことのある人も多いはず。
というわけで今回はそんな子どもの遊びの王道、鬼ごっこの種類をまとめてみました。主なソースは筆者の記憶、友人・知人の発言、Web上の情報。
「あ〜そうそう、懐かし〜!」と当時の思い出に浸るもよし、「え?そんなの知らね〜!」と驚愕するもよし、有名無名問わず鬼ごっこの種類一覧です。
■メジャーどころ
人気と知名度は全国区。世代を超えた共通言語です。
「鬼ごっこ」
これは説明不要でしょう。ジャンケンで鬼を決めてその鬼につかまらないように逃げるという、シンプルだけど、持久力・瞬発力・判断力が要求される奥の深い遊びです。
「高鬼」
普通の鬼ごっこと違い、鬼は高いところに上れません。高所は時間制限付きで安全というルールと、時間無制限だけど鬼が手を伸ばしてそれに触れたらアウトという、ふたつのバージョンがあります。筆者の地元は後者でした。
「色鬼」
鬼が任意の一色を指定して、参加者はその色を探し回ります。指定の色に触っていれば安全。その色を見つけられずおろおろしていると鬼の餌食になります。意地悪な鬼に「透明!」と言われたら「空気に触れているから大丈夫」と返すのがお約束です。
「氷鬼」
鬼につかまりそうになったら、「氷!」と叫びましょう。動けなくなる代わりに鬼に触れられても大丈夫(ドラクエの呪文「アストロン」みたいなものです)。
一定時間が経つか、他の動ける参加者にタッチしてもらうことで氷が溶けて自由に走り回れるようになります。また、自分の意思では氷になれず、鬼につかまったら氷状態となるルールもあります。その場合、全員が氷になった時点で鬼交代。
※ほぼ同ルールで「しゃがみ鬼」、「座り鬼」というバージョンもあります。「氷状態=しゃがみ・座り状態」というものです。
「けいどろ」もしくは「どろけい」
小・中学校で必ず一度は勃発する「正しい呼び名はけいどろ?どろけい?論争」。遊び自体の内容は鬼も子役も複数いる鬼ごっこです。
鬼ごっこと違うのは、追いかけ役が警察なので優越感があるということ。つかまった泥棒は牢屋と呼ばれる任意の場所にまとめられます。牢屋内の泥棒が、まだつかまってない人間にタッチされると晴れて自由の身となり、再びゲームに参加できます。
■地域によっては知らない人もあり
ここから一気にマイナー臭が漂ってきます。事実、私もほとんど知らなかったりします。
「手つなぎ鬼」
鬼につかまった人間も新たに鬼となり、鬼同士が手を繋いで子役を追いかけます。4人以上になったら2組に分裂も可能。
「しっぽ鬼」
帽子やハンカチをズボンの間に挟み、それを鬼に取られないよう逃げるというルールです。単純ですみません。
「蛇鬼」
鬼は蛇のように腹這いで移動して子役を追いかけます。あまりにも鬼に不利のルールなので、教室などの狭い空間限定だったり、児童館などで上級生が年の離れた下級生と遊ぶときに用いられるんじゃないでしょうか。
「ブランコ鬼」
鬼はブランコ内に入ることはできません。子役は自由にブランコを漕げますが、勢いがついてブランコの策から出た時点で鬼にタッチされるとアウトです。
「十字鬼」
まず田の字を地面に描きます。鬼が移動できるのは真ん中の十字部のみ。子役は鬼につかまらないように4つのマスを移動していきます。これが基本的なルールで、他は地域ごとの独自ルールがあるようです。
筆者の地元では鬼が子役の進む方向(右まわりor左まわり)と周数を決めて、つかまった子役も鬼となるルールでした。子役をひとり残して全員が鬼になると、伝染といって鬼同士が手を繋ぎ十字エリア外にも進出可能。そしてなぜかこの遊びは「なすきゅうり」と呼ばれていて、開始前には必ず「なすきゅーり、マイナスカボチャ!」と叫ぶのがお決まりでした。
※調べたところ、類似の遊びとして「くつとり」、別の呼称として「鬼の道通った」「ゴットン」などがあるようです。
■マイナー鬼ごっこ
すみません、ここからは私自身もはじめて知ったものばかりです。
「丸鬼」
地面に大きな円を描き子役がその中に入ります。鬼は円の外から子役にタッチします。平面版の高鬼と考えてよいでしょう。
※ほぼ同様の「ひょうたん鬼」なる遊びも存在します。
「線鬼」
地面に適当な図形を描いて、鬼も子もその線上のみ移動できるというもの。
「魔法鬼」
鬼につかまると魔法(「○○のマネをする」「●●の体勢でいる」など)をかけられるという、鬼ごっこ+王様ゲームのようなルールです。魔法をかけられても、他の動ける人間にタッチしてもらえばその効果は消えます。
「くるくる鬼」
子役は数人で手を繋ぎ円くなり、その中でリーダーを決めます。そのリーダーが鬼につかまるとアウトなので、みんなでまわりながらリーダーを守ります。
「見た鬼」
これは筆者が実際に遊んでいました。基本ルールは鬼も子も地面に足をつけてはいけないというもの。なので滑り台や公園の柵、タイヤ、段ボール、大きめの石などをうまく渡る必要があります。
地面に足をつけたところを鬼に見られたらアウト、逆に鬼が見られた場合は元の位置に戻って10数えさせられます。メジャーな遊びかと思いきや、今までこの見た鬼を知っている人間に出会ったことがありません。
以上、いかがでしたでしょうか。ここに挙げた鬼ごっこはごく一部で、日本全国にはまだまだ多様な鬼ごっこが存在します。
ネットもケータイも普及していない時代に、これだけ多くの種類が口承されてきたという事実にあらためて驚かされました。
老若男女問わず誰もが知る遊びだから、初対面の人とうち解けるのにも鬼ごっこネタは最適かもしれませんね。
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