イギリスでは400年ぶり、陪審員なしの裁判が開かれる
欧米では多くの国が古くから導入している陪審員制度、日本でも昨年から裁判員制度として施行されました。
日本の制度は独自のため「陪審員」ではなく「裁判員」と呼びますが、主な違いは、
『陪審員は有罪か無罪かまでしか判断しない 』
『裁判員はその量刑(例えば懲役○○年とか)までの判断に踏み込む 』
と言う点が挙げられるそうです。(裁判員制度とは?)
この裁判で被告となったのはジョン・トウォーメイ61歳ですが、ヒースロー空港付近で起きた強盗についての罪で起訴されています。
イギリスでは13世紀ころから刑事事件で陪審制が用いられていますが、犯罪者側からの圧力が予想される事件に限り、陪審員を採用せずに裁判が行えるように法が改正されました。
今回の強盗事件は1000万ポンド(約15億円)を狙った犯人グループにより警備員一人が銃撃され負傷、結果175万ポンド(約2.6憶円)が強奪されたもので、その額のほとんどは現在でも回収できていません。
現在までに3度も裁判が行われており、そのたびに陪審員の意見が分かれたり、メンバーが途中で辞退するなど続出したため、検察側は陪審員に対し脅しや圧力が掛かっていると主張していました。
そして2009年の6月に検察の要求によって、陪審員なしの裁判が認められたのです。イギリスでは実に400年以上ぶりで、裁判官一人が陪審員と裁判官の両方を兼任する形態となるようです。
今週始まるこの裁判の行方も気になるところですが、日本とは逆の流れとも言えるだけに、制度の違いの参考になるかもしれません。
Heathrow robbery trial breaks with 400-year tradition of trial by jury
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森田 崇 北原 雅紀
小学館
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なかなかに深い
裁判の仕組みに真っ向から取り組む、異形の作品