インディージョーンズの舞台にもなったヨルダンの「ペトラ遺跡」…紀元前から続く世界遺産
世界の七不思議は紀元前2世紀に書かれたものですが、2007年に現代版の「新・世界七不思議」として、チチェン・イッツァのピラミッド(メキシコ)、イエス・キリスト像(ブラジル) 、万里の長城(中国) 、マチュ・ピチュ(ペルー) 、ペトラ(ヨルダン) 、コロッセオ(イタリア) 、タージ・マハル(インド)
がスイスの財団により選出されています。
広く知られているものばかりですが、ヨルダンのペトラ遺跡はよく知らないと言う人も多いのではないでしょうか。
1985年にユネスコ世界遺産に登録され、「インディージョーンズ・最後の聖戦」で最後の聖杯の場面の撮影にも使われた、ペトラの岩窟遺跡をご紹介します。
死海から80kmほど離れたヨルダンのペトラはギリシャ語で岩を意味し、600もあるという神殿は柔らかい砂岩を削って造られています。
岩壁の先にあるのは高さ43mのエル・カズネと呼ばれる宝物殿。
「インディージョーンズ・最後の聖戦」では、キリストの聖杯が隠された神殿として登場しています。
そう言われると、たしかにインディジョ−ンズの一場面を見てるような気持ちになってきます。
ペトラはとても広大で1日ではとても周りきれないそうですが、それでも公開されている場所は全体の1%ほど。
紀元前2世紀ごろ、この地に遊牧民族であったナバデア人が人口増加にともないに定住し、ナバデア王国が建国されました。
砂漠の地でありながら優れた潅漑・貯水機能を持っていたことから、シルクロード通商の拠点として巨万の富を築き、メソポタミア、南アラビアから地中海にいたるほぼ全ての隊商路を掌握し栄えたと言います。
しかし紀元前64〜63年にローマの将軍ポンペイウスの小アジア・オリエント遠征の際に支配下に置かれ、ローマの属国となります。ポンペイウスはその後、カエサル(シーザー)とローマの覇権を争い敗れています。
西暦106年のトラヤヌスの時代には完全にローマに組込まれ、4世紀ごろにはキリスト教化されました。
2千年を超える年月と、複数の文化が入り混じった遺跡群を見ると、歴史の長さや重みが伝わってきますね。
エンターブレイン





