いったいなぜ?日本のスズメが10分の1に激減…環境省の調査結果
最近スズメを見かけた印象って、どのくらいありますか?
もちろん全く見なくなったわけではありませんが、一昔前に比べると電柱にたくさん止まっていたり、地面のエサをついばんでいる姿を見る機会が減ったと感じるのではないでしょうか。
それもそのはず、なんとスズメの数は20年足らずの間に最大80%減、50年では90%減と10分の1にまで激減しているそうです。
(2010/6/22)追記:東京新聞のソースを元に、環境庁の発表としていましたが、「2010年3月9日の東京新聞の記事について」によると、立教大理学部の三上修氏の『日本におけるスズメの個体数減少の実態』による論文仮説を環境省の資料内で見かけた東京新聞の記者が、環境省の発表だと誤解して報道してしまったようです。よって、当記事の環境庁の発表と言うのは誤りで、スズメの減少で挙げられている数字も推定結果であり、信憑性や科学的裏付けは疑問の余地が残るようです。
現在日本に生息するスズメの個体数は1800万羽ほどで、1960年代に比べ10分の1ほどに激減してると環境省が発表しました。
また、立教大理学部の研究によると、20年前との比較でも最大80%減、少なく見積もっても半減しているとの調査結果が出ており、環境省では4月より国民に呼び掛けてスズメの目撃情報を収集する予定とのことです。
では、いったいなぜスズメがここまで激減してしまったのでしょうか?
主に生活環境の変化ではないかと推測されていますが、理由として挙げられているものをいくつかご紹介します。
- 木造住宅の減少により屋根瓦や建物の隙間など、巣作りの場所が困難となった。
- 田畑のコンバインの普及で餌となる落ちモミが減った。
- 未舗装の小道や空き地が減り、植物の種などの餌が減った。
- 都市部での空き地や草原の減少。
- 減反によって水田面積が減った。
しかし単なる環境の変化と言うには不可解な面もあり、たとえば北海道では2006年に全道各地で突然スズメが姿を消したというニュースが新聞に掲載されています。
北海道新聞:スズメ、どこへ−全道各地で今冬 大量死?移動?謎めく原因
身近な野鳥スズメがこの冬、全道各地で姿を見せなくなったとの報告が相次いでいる。バードテーブルの餌消費量が激減したというところや、巣作りが始まらない地域も。原因について研究者らも「見当がつかない」と首をかしげ、農家は「田畑の害虫が増えたら困る」と心配顔だ。
「スズメを見かけない」という情報が出始めたのは、今年一月末ごろから。日本野鳥の会札幌支部事務局の住友順子さんは「『餌台に全く来ないが、なぜだろう』と、市民からの問い合わせが道央各地から来ている」と話す。
(via:5号館のつぶやき : スズメが消えた!)
ある年急激に減ったのが不気味ですが、実はこのスズメが減っている現象は日本だけではなく、世界的に起きているようです。
朝日新聞:スズメなぜ消えた 英国で9割減
英国中の街角をにぎわせていたスズメが、すっかり姿を消してしまった。ロンドンではイエスズメがこの5年で半減、英国全体でスズメは過去25年で9割も減った。地球温暖化、伝染病からチェルノブイリ原発事故の影響まで諸説が飛び交うが、原因はナゾ。「人里を好むスズメが消えたのは、人間にとってもよくない環境変化が進んでいる兆候」と、英政府が原因究明に乗り出した。
(via:野鳥ニュ−スNo.508)
他にも伝染病説など諸説あるようですが、はっきりしたことはわかっていません。
農家にとっては実った稲のモミ米を食べてしまうスズメですが、春は害虫や雑草の種を食べてくれるなど益獣の役目も果たしてくれるため、持ちつ持たれつつの関係にあるそうです。
現段階では心配するような個体数では無いと思われますが、減り出すと絶滅へと転げ落ちていくそうなので、早期の原因究明を待ちたいところです。
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