「こんなの初めて…」生まれ変わる経験を味わった男の話
ブライアンは金曜日の晩遅くまでパブで飲み、いつものように泥酔してしまいました。
家に帰ると、すでにベッドで寝ていた妻の横に入りました。そして軽く妻にキスをすると、自分も眠りに落ちていきました。
ところが目が覚めると、ベッドの隅に見たこともない男性が、白いガウンを着て立っていたのです。
「いったいお前は誰なんだ?」ブライアンは尋ねます。
「それにオレのベッドで何をしているんだ?」
すると神秘的な雰囲気を持った男性は答えました。
「ここはあなたの寝室ではありません。私は聖ペテロです」
驚いたブライアンは、あわてて尋ねました。
「私が死んでるって言うのですか?そんなバカな!ありえない!まだまだ生きる予定だったのに…。家族にさようならさえ言ってないんだ……どうかお願いです。私を生き返らせてください」
聖ペテロは答えました。
「そうですね。生まれ変わらせると言うことならば可能です。ですが落とし穴があって、豚かニワトリかどちらかを選ぶしか無理なのです」
ブライアンはショックを受けましたが、自宅の近くに農場があることを考えて、ニワトリとして生まれ変わるように頼みました。
ひと筋の光が放たれたと思った途端、もう彼の体は羽だらけでコケコッコーと地面をクチバシでつついて歩いていました。
「これは最悪だ」と彼は思いましたが、そのうちなんだか体の中がもぞもぞと、変な気持ちになってきました。
すると同じ農場の雄鶏がやってきて、「君は新入りの雌鳥だね。初日の気分はどうだい?」と尋ねてきました。
「それほど悪くないよ、でも体の中から今にも爆発しそうな感じがするんだ」とブライアン。
「排卵期なんだよ」と説明する雄鶏。
「卵を産んだことはあるんだろ?」
「今まで一度もないよ」
「じゃぁリラックスして、なすがままにするのがいいよ」
ブライアンはそれを聞いてその通りにしました。ちょっと不快な感じが数秒続いたあとで、1つの卵が彼の尾の下から飛び出してきました。
大きく気が抜けるような気持ちに覆われ、初めての母性を体験して、感情的にも満たされた気分になりました。
2個目の卵を産んだとき、もう言いしれない幸福感でいっぱいになり「ニワトリに生まれ変わったことは、今まで自分に起こった中で最高の出来ごとだ!」と感激したのです。
その喜びはずっと続き、3つ目の卵を産もうとしたそのとき…。
頭を大きく叩かれる感じがして、妻が怒鳴っている声が聞こえてきました。
「ブライアン!!起きてよ!!バカ! 大きい方をベッドに漏らしてるじゃないのよ!」
教訓:やっぱり酔いすぎてはいけません。酔いが覚めたらいつもそこには現実があります。
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自ら作ってしまっていた限界を可視化させてくれる
リスクをとること、失敗することが何故必要かを教えてくれる
日本では諸刃の剣になることも肝に銘じて読む必要もあります