国が性教育しないインド、代わりに新聞のコラムに頼る
性教育をいつどんなタイミングで誰がやるのかというのは、文化や宗教、そして家庭ごとの判断で変わるものです。
インドでは性教育を政府や学校が行わないため、子供たちはもちろん、大人も性に対する疑問などは新聞のコラムに頼っている状態となっているようです。
インドの学校では一切の性教育がなされないことから、性に対する様々な疑問を抱くのは思春期前の子供たちだけではないようで、正しい知識を持たないままの大人も多いのです。
政府の見解では、結婚前に性のことを知ることはモラル的によろしくないということのようです。また、性教育を施すことで公共の場所で淫らな行為が行われることを恐れているとのことです。
そこで新聞のコラムで、エキスパート"Expert"ならぬ、セクスパート"Sexpert"と呼ばれる人に尋ねようと、性に関する率直な質疑応答がされるようになりました。
質問は子供だけでなく大人からも多いそうで、赤ちゃんがどこから出てくるかなどを知らない大人が多いことも浮き彫りとなっています。
回答者は婦人科医でありセックスカウンセラーでもある85歳の医師。彼の答えはかなり直接的で、簡潔でわかりやすくもあります。サイズばかり気にする男性に技術を求めるようなアドバイスをしたり、タブーは同性愛だけとなっているようです。
国が教育しない以上、このセクスパートの活躍は続きそうですが、実際に投げられている質問は以下の通りです。
・自慰行為を毎日行うと頭は禿げますか。
・バス内でひじが女性の胸に触れた場合、HIV感染の危険性はありますか。
・オーラル・セックスで妊娠しますか。
・私は20歳の女性でめったに自慰行為をしないのですが、処女膜は守れますか。
・私は51歳、妻は49歳、妻は閉経を迎えつつあります。去年は生理が2回来ただけです。私たち二人に健康上の問題はなく、毎日しているのですが、妊娠する可能性はありますか。
すべての質問は真面目なもので、知識のよりどころが無いため切実な問題となっているようです。
学校での性教育は、程度や時期など、日本でも難しい問題となっていますが、インドで行われるにはまだまだ時間がかかりそうです。
India's sexpert no substitute for education
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