成人してからも骨が生えてくる病気と闘う男性…アメリカ
平均的な成人の骨の数は206本と言います。
平均的というのは、軟らかい赤ちゃんの骨は折れないように細分化しており、大人になるにつれくっついて数が減るため、人によって多少のばらつきがあるのです。
ところがアメリカに通常よりはるかに多くの骨を持ち、増え続けている成人がいるそうです。
コネチカット州の町ダンベリーに住むダン・アジエレさんは、普通の人より50本も多くの骨を持っています。
関節のいたるところにあり、特に肋骨の周辺に集中しているそうです。彼の症状は遺伝的な問題によるもので、骨の表面などにできる腫瘍に悩まされてきたと言います。
5歳のときからすでに19回の手術を受け、現在までに42本の骨を取り除いてきたそうです。余分な骨は足や肩、足首、膝、ヒップ、腕、手首、背中、胸、そして指にも出来、サイズもばらばらで消しゴム大から、4x2x1インチほどの大きなものまであるとのことです。
父の母方に骨組織が増えていく遺伝子があると言い、父親も同じ症状を持っていました。兄弟の中では亡くなった兄一人だけが持っていたようです。
ダンさんの3人の子供のうち2人も同様の遺伝子を持っていますが、現在のところは大きな問題は出ていないとのことです。
彼が10代の頃、脹脛(ふくらはぎ)に増えた骨の除去手術のときに、医師が誤って神経を切断してしまい足が麻痺してしまいました。その後、彼は鬱に悩まされたと言います。
誰にも口を聞きたくなく、誰と一緒にいたくなく、どうして自分ばかりがそんな目に合うのか苦悩したそうですが、ある朝、自分は生きているんだという事実に気づき、そんな風に悩んでいたことがばかばかしくなったと、そう語っています。
それ以来自分の症状をポジティブにとらえてきたと言うダンさん。
現在同じ症状の人は、世界57カ国で1600家族ほどいるとされており、10万人に1〜2人の珍しい病気として研究中です。
今では「人生ではもっと悪くなることもある」と想定しており、「他の人にできて自分にできないことは裸足でウォータースキーをすることくらいだ」と言い、周りに気にかけてくれる人がいる限り何でも向き合えると伝えています。
世の中には聞いたこともないようなまれな病気も数多く存在しますが、いかにして向き合っていけるかが大切なようです。
Man has extra bones growing in his body
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