2010年07月22日 11:47

乱暴な患者はスタンガンで鎮圧…アメリカ

 

テーザー銃
アメリカの警察では容疑者を大人しくさせるために、スタンガンの使用が許可されています。

しかしながら病院で患者に対しての利用率が高まるなど、犯罪者向けとは別の利用をされはじめたことに懸念の声が上がっています。

テーザー銃(ワイヤー針タイプの銃型スタンガン)を作る企業によると、アメリカにはテーザー銃を試用、あるいはすでに利用している病院が151もあるそうです。

スタンガンはシンプルに尖った金属の先から瞬時に電流を通し、そのことで筋肉を収縮させ全身を麻痺させ、正しく使われれば、暴れる人間に対して一瞬にして効果があります。

各病院がどのような場面で使うかのガイドラインを定めてあるとは言うものの、実際の運用は警備員が独自に判断するケースが最も多いとしています。

精神医学、遺伝学、神経科学のロバート・フィリバート教授によると、現在一部の病院ではテーザーや類似の武器が乱暴な患者をコントロールするために使用されることが常識的になってきていると言います。

対話による解決が無理なら武力行使というわけです。教授は病院の患者へのスタンガンの利用に懸念を示し、判断は命に関わるほどの条件に限るなど、身体的拘束は最後の手段とすべきと指摘しています。

一方、緊急医療に携わる医師のジェフリー・ホー医師によると、暴力的な患者へのスタンガンの利用は効果があり、患者本人や、その他の患者の怪我など、危険な状況に陥ることの予防になると伝えています。

ホー医師は1年に渡る調査に基づき、病院は100%平和で静かな環境ではなく、実際に暴力などが病院スタッフ、医師、看護婦たちに向けられることがあると言い、安全を確立するためには最良の方法であるとしています。

スタンガンは不快で痛みをともない、2002年から身体への影響を研究しているボーズマン准教授によると、電流を止めばすぐに痛みも収まり、体の機能も元に戻るとのことです。

ボーズマン准教授の2009年の発表では、テーザー銃を撃たれた1201人のうち99.7%は、それ自身による怪我をしてないとしています。ただしテーザー銃によって転倒したときに打撲や擦り傷はあったとしています。

2008年に公表されたデータによると、アメリカでテーザー銃に撃たれた直後に亡くなった334名についての7年かけた調査では、ほとんどの死は麻薬によるものとしていますが、テーザー銃によるショックが原因のものは少なくとも50名はいるとしています。

倒れたときに頭を打ち頭蓋骨の骨折というケースもあり、ショックが脳の発作を引き起こしたという報告もいくつかあるようです。

このことからボーズマン准教授もテーザーの利用を最終手段とすべきとし、一方で罵ったり、振り回したり、暴力的になる患者を扱う現場の従事者への理解も示しています。

患者が暴れるのは患者のせいではないという意見もあり、議論は紛糾しているようです。

Hospital experts debate wisdom of using stun guns to control violent patients

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