ベトナム・イラク・アフガン戦争でそれぞれ足を失った3人が、アフリカ最高峰のキリマンジャロに登頂
健常者でも山登りは過酷で危険が付きまといます。
世界有数の高い山ともなれば、体力や経験とあわせ綿密な計画を立てて挑まなければいけません。
アフリカ大陸の最高峰として知られるキリマンジャロに3人の男性が挑んだのですが、この3人が普通と大きく違うのは、足が合わせて1本しか無いということでした。
アメリカ人であるこの3人は、それぞれ別の戦争で兵役中に足を失う経験をしています。
年代もばらばらで、イラクで両足を失ったダン・ネヴィンズさん(37歳)、アフガニスタンで両足を失ったニール・ダンカンさん(26歳)、そしてベトナム戦争で片足を失ったカーク・バウワーさん(62歳)。
健常者で万全の準備があれば、山頂までの登山を楽しむことができる。多いときは月に1,000人近くが山頂を目指している。高山病や事故により、毎月数名の死者がでている。
(キリマンジャロ - Wikipedia)
足を失った3人が、義足で標高5895メートルのキリマンジャロを6日間かけて登ったのです。
他の障害者へのメッセージの意味もあると言うバウアーさんは、インタビューでこう答えています。
「もし年代の全く違う、別々の戦争で足を失った3人がキリマンジャロに登れるのなら、他の障害者の仲間だってハイキングやサイクリングやスイミングが出来る。外に出て健康的な生活が出来るんだ」
3人はチタン製の義足を何度も調整する必要にせまられ、小石や岩の多いところでは常にすべったりと、決して簡単な登頂ではなかったようです。
ダンカンさんは「特に4724メートルから5791メートルへの道は険しく困難であった」、「非常に足場がゆるく勾配もきつかったが、支える足首がないためグリップを利かせることができなかった」と振り返っています。
キリマンジャロ経験者によると下山も非常に厳しいそうですが、途中で義足を失ったダンカンさんがひっくり返ったり、バウワーさんも義足が外れるハプニングなどがあったそうです。
ネヴィンズさんは頂上まで登った後、義足の付け根を激しくいためてしまい、車のついた担架で下ろされたとのことですが、それだけの疲労と困難を抱えながらも3人とも登頂を達成することができました。
バウワーさんが重役を務める障害者スポーツUSAが、この登山のスポンサーとなったようですが、障害があっても強い意志があれば、いろいろなスポーツが出来るのだという良い見本となったようです。
義足でありながらキリマンジャロに登頂する偉業を果たした3人には、ただただ脱帽するしかありませんね。
Trio climb Mount Kilimanjaro on only one good leg
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