「目には目を」の原則で、被告の身体を麻痺させるよう言い渡す…サウジアラビアの裁判
イスラム法は「目には目を、歯には歯を」が原則となっており、犯した罪に対して同等の罰が与えられるケースも少なくありません。
その原則に従い、サウジアラビアの裁判所ではなんと、被告の脊髄を損傷させて身体の麻痺をさせる刑が言い渡されたそうです。
被害者の男性(22歳)は喧嘩の末に、身体の麻痺、そして片足を切断するという被害を受け、同等の罰を加害者に対して科することを希望していました。
そして裁判の結果は、被告の脊髄を損傷させて身体の麻痺をさせるという判決で、病院に手術をするように手配しているようです。
ところが1つ目の病院には設備が揃っていないという理由で断られ、2つ目の病院からは、倫理的理由から罰を与えるような手術は出来ないと拒否されています。
被害者の兄によると、この加害者は14ヶ月の禁固刑を受けましたが、7ヶ月後には保釈され、その後学校の教員になったと言い、そのことが被害者の家族の怒りを買ったようです。
サウジアラビアでは今でも厳格なイスラム法を用いて罰を与えることがありますが、アブドゥッラー国王は認可されていない聖職者や過激派のイデオロギーを取り締まろうと試みているとのことです。
現在は、近代化を促進させるため宗教とのバランスを取ろうと努力しているようですが、問題は数多くなかんか上手くいっていないのが実情のようです。
今のところ病院側は拒否しているようですが、文化や宗教の違いがあるとは言え「目には目を」がどこまで適用されるべきなのか、物議をかもしそうです。
※「目には目を、歯には歯を」自体はイスラムの教えではなく、ハンムラビ法典が由来。また同等の復讐を推奨するものではなく、何倍返しといった復讐の拡大を抑えることが目的。
Saudi judge 'asks hospital to paralyse man as punishment'