ついに紙の辞書がなくなる?「オックスフォード英語辞典」の書籍版が出版されない見込み
オックスフォード英語辞典と言えば、英語辞典の代名詞と呼べるほどの世界的に知られた辞典です。
しかしながらインターネットの普及に伴って書籍の売上は落ち、次の第3版はオンライン版のみで、紙の辞典は出版されないであろうと報じられています。
80名で構成された編集者たちによって、過去21年間に渡り編纂(へんさん)が進められてきたオックスフォード英語辞典第3版は、オンライン版だけになる可能性が高いとのことです。
書籍版の市場が急激に冷え込んで毎年10%づつ落ち込んでいるのが、オンライン版だけになる理由と見られています。
第2版(全20巻)は2000年にオンライン版が登場し、年間登録料240ポンド(約3.1万円)の会員たちから毎月200万ほどのアクセスがあるようです。
第3版は現在3分の1ほど編纂が進み、全巻が完成するのは10年後とみられています。(単巻の第3版は今月刊行)
書籍が永遠だと思われていたのは一昔前までの話であり、現在は異様なスピードで印刷物が消えています。紙の辞書を持っている人もだんだん使わなくなり、ネットでの検索で済ます人が増加しています。
世界的に評判の高いオックスフォード英語辞典ですが、実はもともと利益はほとんどない状態で、研究費用などに年間何百万ポンドも投じられているとのことです。
オックスフォードの出版局は「もし需要が大きければ、書籍版を出版する可能性も無いわけではない」と述べていますが、ペーパーレスの時代は着実にやってきているようです。
ちなみに最初に世に出た英語辞書は、1755年に刊行された「サミュエル・ジョンソン氏の英語辞典」で、それから150年ほどの間、スタンダードなテキストとして存続しました。オックスフォード英語辞典は1928年に初版が刊行、1989年に第2版が刊行されています。
Oxford English Dictionary 'will not be printed again'