休暇中のイタリア警察官、ニューヨークで30年前に盗まれた彫刻を発見
価値のある芸術品はなかなか手にすることが難しい上に盗難も少なくありませんが、かつて盗難にあったイタリアの彫刻が30年経ってから返還されたというニュースがありました。
見つかった先はニューヨークのアートギャラリーでした。
紛失していたのはギリシャ神話の主神ゼウスの銅像と女性の胴体の大理石像の2点で、どちらも1世紀後半頃の作品とされ、イタリアの美術館から盗まれました。
見つけたのは芸術品の盗品を追うイタリアの警察官で、たまたま休暇で訪れたニューヨークのマディソンアベニューのギャラリーで、以前データバンクで見た作品に似た大理石像が売りに出されているを見かけたそうです。
とりあえず携帯電話で写真を撮り、オーナーに入手の経緯を聴くと、歯切れの悪い答えしか返ってきませんでした。
不審に思った警察官はローマに戻ってから調査してみたところ、大理石像は1988年にローマ南部の小さな博物館から盗まれていたものだと判明したのです。
これにより要請を受けたアメリカ関税局が、同時に売りに出されていたゼウス像と共に押収し、イタリアへ返還される運びとなりました。
ゼウス像の方はローマの国立博物館から1980年に盗まれ、ニューヨークのコレクターが所持していたことが突き止められたようです。それぞれ50万ユーロ(約5700万円)ほどの価値があるとみられています。
所有者は盗品だったことを知らなかったことから逮捕には至っていませんが、30年も経ってからとは言え取り返したことはお手柄と言えます。
芸術盗品を追う警察の部門があることもイタリアらしいですが、ヨーロッパの博物館などは高価な芸術品を扱ってる割に、あまり厳重なセキュリティがないところが多いので、こういった盗難事件が起きやすいのでしょうね。
Policeman on holiday spots stolen art treasures in window of art gallery