「ばかもん!そいつが…」強盗が完璧な変装、映画用の特殊マスクを着用
犯罪者は警察の目を逃れるため、顔がわからないようにしたり、本人の痕跡を残さないようにしたりと、身元を隠すためにいろんな工夫をするものです。
アメリカでハリウッド映画などで使われる高性能なシリコンマスクを使用して、全くの別人になりすまし強盗を繰り返していた男が逮捕されました。
映画の特殊撮影に使われるSPFXマスクと呼ばれるもので、シリコン製で人の髪まで使用した質の高いマスクだそうです。
毛穴の動きまでも非常にリアルに見え、強盗などを目的とする犯罪者の人気のアイテムとなりつつあるようです。
アメリカ・オハイオ州に住むポーランド移民のコンラッド・ズィドジーラック(30歳)は、このマスクを利用して黒人になりすまし、強盗を続けてきました。
この変装の効果は絶大で、地元警察はすっかり騙されアフリカ系黒人の若者を誤認逮捕し、数ヶ月にわたって冤罪のまま拘留していました。
なぜなら強盗の被害を受けた銀行員7人中6人までもが、マグショットと呼ばれる容疑者の写真のラインナップを見て、この無実の黒人青年を指したのだそうです。
さらにひどいことに、このマスクをかぶった男の写真を、無実の黒人青年の母親に見せたところ、母親までもが息子だと信じたというのです。このマスクの巧妙さから他の事件の容疑者に関しても疑問視されはじめています。
特別なシリコンを利用したこのマスクは、まるで人肌と同じような質感を持ち、顔の動きに連動するなど、見た目も全く本物に見えるそうです。
全てハンドメイドで仕上げられ、映画やテーマパークなどで利用されていますが、ひとたび装着すると10時間かけたようなメイクが、たった10秒で仕上がってしまう精巧なマスクだそうです。
ズィドジーラックが捕まったのは、たまたま恋人が現金とマスクを彼のホテルの部屋で見つけたからで、彼女の告発がなければ今でも世間を騙し続けていたとみられています。
男は2枚のマスクをセーフティボックスに保管していたほか、PCには年寄りのマスクを注文した痕跡もあり、他の強盗事件の解決に繋がる可能性もあるとのことです。
そこまで精巧だと一度試してみたくなりますが、他人になり済ませてしまうほどのクオリティというのも、怖い時代になったものだと感じます。
US criminals using film quality masks during bank robberies