40Mbps超のイーモバイルとWiMAX、実測でどちらが速いのか、山手線全駅で実際に比較してみました
イー・モバイルの下り最大42Mbpsのサービス「EMOBILE G4」が、12月3日から始まりました。
これは今まで最大40Mbpsの速度を誇るWiMAXを使い込んできた身としては、ちょっと気になるところ。しかし、理論値上ではWiMAXを上回っていても、実際の速度が理論値には達しないのもよくあること。
そこで山手線全駅にて、実際にどちらのほうが実測値で優れているのか、実際に検証してみました。
測定条件
イーモバイルの42Mbps対応端末は、まだUSB接続のD41HWしかないため、WiMAX側も同じUSB接続で、先日買ったAterm WM3500Rを使用しました。
測定の模様
パソコンはWindows7をインストールしたMacBookProを使用し、価格.comスピードテストにて、各1回ずつテストを行いました。(※本当は数回テストして中央値を取りたかったのですが、あまりに時間がかかりすぎるので断念しました)
対象エリアは、モバイルサービスが最初にエリアの整備を始める首都圏をぐるりと走る、山手線の全29駅を対象としました。
なお測定を行ったのは、平日の15時から18時の間。全部の駅で下車しながら一周すると、3時間もかかるものなんですね…。
ではまず、測定の模様をダイジェストでどうぞ。
秋葉原駅(1/29駅)
秋葉原駅での測定結果(左:UQ WiMAX、右:イー・モバイル)
まずはスタート地点、秋葉原駅にて初測定!
結果は、WiMAXが倍以上の差をつけてリード!
神田駅(2/29駅)
神田駅での測定結果(左:UQ WiMAX、右:イー・モバイル)
続いて神田駅では、WiMAXが4.6倍の速度差で圧勝!
ここまではWiMAXがリードしています。
新橋駅(5/29駅)
新橋駅での測定結果(左:UQ WiMAX、右:イー・モバイル)
続いての新橋駅では、イー・モバイルが2倍の速度でリード!しかし、WiMAXも上り速度では負けていません。
※写真は有楽町でした。ご指摘いただきありがとうございます。
大崎駅(9/29駅)
大崎駅での測定結果(左:UQ WiMAX、右:イー・モバイル)
ところが大崎駅では、イー・モバイルがまさかの0.1Mbps。何か問題があったのかと思い、念のためもう一度測定をしてみましたが、結果はほぼ同じ。何か条件が悪かったのでしょうか?
原宿駅(14/29駅)
原宿駅での測定結果(左:UQ WiMAX、右:イー・モバイル)
続いての原宿駅でもWiMAXがリード。しかしイー・モバイルも、上り速度では僅かにWiMAXに勝る結果に。
池袋駅(20/29駅)
池袋駅での測定結果(左:UQ WiMAX、右:イー・モバイル)
が、池袋駅ではイー・モバイルがWiMAXの約1.4倍の7.8Mbpsを叩き出しリード。しかしWiMAXも上り速度では負けていません。
ああ、ふと気づくと外はもう真っ暗…。
日暮里駅(26/29駅)
日暮里駅での測定結果(左:UQ WiMAX、右:イー・モバイル)
山手線全駅測定ももうすぐ終りを迎える日暮里駅で、なんとWiMAXがまさかの
31Mbps!!
まじですか…こんな速度初めて見ました…。
この時は何かの間違いかもと思いましたが、後の駅でも凄い結果に。
御徒町駅(29/29駅)
御徒町駅での測定結果(左:UQ WiMAX、右:イー・モバイル)
そしていよいよ最後の駅、御徒町駅に到着。およそ3時間のなが〜い測定の最後に、WiMAXは 29.2Mbps という、まさに超高速モバイルに恥じない速度を叩き出しました。さっきの31Mbpsは、何かの間違いじゃなかったんですね…。
全駅の測定結果は…
さて、山手線全駅を測定した結果を表にしてみました。ちょっと見づらいかもしれませんが、まずは測定値の一覧を御覧ください。
WiMAX vs イー・モバイル 山手線編 測定結果
速度の勝る値を青で表記 ※単位はMbps
今回の測定では、全体的にWiMAXの方が優勢という結果になりました。駅によって下り速度にばらつきがあるものの、殆どの場合、WiMAXの方で高い速度が出ていました。
※日や時間帯によって結果は変わってくるので、必ずこの数値になるわけではありません。
そしてこれだけではいまいちピンと来ないので、視覚的にわかりやすいように、データを集計してグラフを作成してみました。
駅ごとのダウンロード速度のグラフ。駅ごとの速度変化は意外に大きい。
曜日や時間帯などの要因でも速度の傾向は変化するため、あくまで参考程度に。
今回の計測では全体的にWiMAXの方が速く、最高速度も突出していた。
ダウンロード速度をカテゴライズして集計。
赤やオレンジや黄色の割合が高いほど、高速で通信できる割合が高い事を示す。
今回の測定では、個人的に体感速度が変わる境界である2Mbps未満の測定点が、イーモバイルでは20.7%の割合を占めたのに対し、WiMAXは0%だった。
全29駅のダウンロード速度を降順でソート。最大値から最小値までWiMAXの回線速度が優れており、体感速度の違いがそのままグラフに表れている。
一方アップロード速度においては、最高速度ではイー・モバイルが速い結果となった。しかし最高速以外ではWiMAXが同じかそれ以上の値を出しており、全体的にWiMAXは安定したアップロード速度を確保できているのが興味深い。
ちなみにサービスエリアは数年先行するイー・モバイルの方が優勢なものの、自分の行動圏内に限って言えばどちらも充分にカバーされていて、意外に差を感じられません。これは利用する地域によりますが、主要都市部での利用が多いほど、違いは感じにくい傾向にありそうです。
また最大42Mbpsのイー・モバイル4Gは、まだ一部のエリアでの提供であり、非対応のエリアの最大速度は従来通り7.2Mbpsのようです。
参考: UQ WiMAX サービスエリア イー・モバイル サービスエリア
また、WiMAXを除くほぼ全てのキャリアは、通信量が多いと速度制限がかかる場合があり、ネットで動画やSkypeなど多くの通信を行う場合には、WiMAXが優勢なようです。これは家でも使う場合には人によっては深刻な問題かもしれません。
また、個人的な使用感で言うと、SkypeやFaceTime用途では、WiMAXは遅延やブロックノイズの発生が少ない(ほぼ無い)のでよく使っているのですが、イーモバイル回線で試すと、大きく映像が動くと画像がひどく乱れたり、音声が途切れ途切れでレスポンスが遅く、使用感には大きな違いを感じました。今回は比較ビデオを撮ってないので掲載はできませんでしたが、これはいつかきちんと検証してみたいですね。
ちなみに今回他の路線もやりたかったのですが、山手線全29駅で既にかなりしんどかったのと、パソコンのバッテリーが切れてしまったので、今回は見送りました。また元気と暇ができたら、他の路線の測定に行ってみたいと思います。
追記
ところで今回、
先日買ったWM3500R
をUSB接続で使いましたが、驚異の
31Mbps
を叩き出していましたね…。WiFiルータなのにUSB接続なんて…と、試しもせずに侮っていましたが、この機種はとんでもない性能を秘めていたようです。
恐ろしく速い、USB接続のWM3500R(下)。
しかもドライバ・接続ユーティリティが不要(Windows7の場合)。
しかもUSB接続では標準LANアダプタとして認識され、接続ユーティリティのインストールや専用ドライバは全く不要という、今まで見たこともない最高の使い勝手。出先のインストールにも手こずりません。
しかもUSB接続中でもWiFi接続が可能で、iPhoneや他のパソコンでも使えてしまいます。
さらに今回、WM3500Rを初めてバッテリーが切れるまで使いましたが、スペック通り大体8時間バッテリーが持ちました。今買うなら、この機種はかなりオススメです。
追記2
さらに、 以前物欲を大いに刺激されたVAIO P をようやく注文し、先日届きました。CPUを除きほぼフルオプションで、WiMAX搭載。今回の測定には使いませんでしたが、電車内や狭いカウンターでデータをまとめたり記事を作るのにいい感じでした。ホントはグリーンが欲しかったけど、ライターのぜろんぱがグリーンを買っちゃったので、ホワイトにしてみました。
狭めなマクドナルドのカウンターでも置き場所に困らないVAIO P。
LバッテリーでWiMAX通信状態で6時間以上使えて、重量わずか767g。
バッテリーはLにしてみたのですが、WiMAXを繋ぎっぱなしでほぼ6時間以上使え、Atomなのでレスポンスはもっさり感もたまにあるものの、実用性は抜群。ポケットにも入るし、今の季節なら上着のポケットに楽々すっぽり。急な仕事に備えて、手ぶらで気軽に持ち運べる快適さは想像以上でした。
あとついでに、Lサイズのジップロックにすっぽり入るので、長風呂のお供にも最高です。
仕事をする予定がない時や、外でだらだら原稿を書くなら、コンパクトでじゃまにならないVAIO P。仕事をする前提で外に持って出るなら、デスクトップ並の性能のVAIO Z…なんて使い分けもいいかも。
…もっとも、それを実現するにはもう少し頑張ってお小遣いを貯めないといけないんですけどね!
※田端を「田畑」と表記していたのを修正しました。(1/21)
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