人々を魅了する世界の美しい10の橋
水なくして人は生きていけませんが、水があれば今度は渡るための橋が必要となってきます。
木から石へ、石から鉄へと、橋を造る技術も発展してきました。
そんな無数にある橋の中でも、特に魅惑的な「世界の美しい10の橋」をご紹介します。
10. ハージュー橋(イラン)
17世紀にシャー・アッバース2世によって建設されました。全長133mの2階建てで、世界三名橋の一つにも選ばれています。
橋げたはアーチ状になっておりダムの役目も果たしています。ザヤンデ川沿いにあるガーデンへ水を引くのにも利用されています。
9. ポン・デュ・ガール(フランス)
フランスの南部にあるローマ時代の技術が見える傑作と言われています。人を渡すための橋ではなくニームへ水を運ぶことを目的とした水道橋です。
初代ローマ皇帝アウグストゥスの腹心で義理の息子でもあるマルクス・ウィプサニウス・アグリッパにより作られました。アーチ型になったこの橋は3層の構造になっており、一番上の層が水の運搬に利用されています。
8. ため息橋(ヴェネチア・イタリア)
19世紀にジョージ・バイロンによって名付けられました。窓から顔を出した囚人たちが、この橋を見てはため息をついたことが由来だそうです。恋人たちがゴンドラでこの橋の下を通るときにキスをすると、永遠の愛が約束されるとして人気の観光スポットとなっています。
7. アイアンブリッジ(イギリス)
シュロップシャーにあるセヴァーン川に架かる世界初の鉄橋で、産業革命時代のイギリスを象徴するものとなっています。鉄鋼場が近くにいくつもあったことも鉄橋が出来た理由の一つとのことです。
合計400トンの鉄が使用されている割に完成までのスピードは意外に早かったと言いますが、施工した製鉄業者のエイブラハム・ダービーは橋に掛かる費用を低く見積ってしまったため、完成後は生涯借金を抱えることになりました。
6. 屋根付き橋いろいろ(アメリカ)
カナダのオンタリオ州にあるグランドリバーに架かるこの橋は、映画「マディソン郡の橋」によって一躍有名になりました。地域住民は「キスの橋」"Kissing Bridge"と呼んでいるそうです。
ノースキャロライナ州のピスガ"Pisgah"に架かるこの橋は、2003年に洪水で流されてしまいましたが、使われていた材木の9割を再利用して再建されました。州に残された古い2つの橋の1つとのことです。
19世紀のアメリカは材木が非常に豊富で安価だったことから、この時代に多くの屋根付橋が建設され、小さなものまで合わせると数万という橋があったそうです。屋根を付けることで材木が風雨から守られ、長持ちすることが理由でしたが、今日のアメリカやカナダでは放置・蛮行・木材盗難・放火により、ほとんどは失われてしまったそうです。
5.ヴェッキオ橋(フィレンツェ・イタリア)
アルノ川に架かる中世時代に造られた橋。橋の役目以外にも、ストリートであり、マーケットであり、世界三名橋のひとつに数えられるフィレンツェ最古の伝統建造物でもあります。
中世以前に存在していた古い橋が洪水で流されたあと、現在の橋が1345年に造られました。橋の上を肉屋や皮なめし職人に貸すことで、建設の資金源を得ていたようです。
屋根が付いたのは1565年で、コジモ一世(メディチ家出身の初代トスカーナ大公)のお抱えだった建築家ジョルジョ・ヴァザーリに依頼して付けられました。その後すぐに宝飾店や金細工店など高価な品を扱う店が立ち並ぶようになりました。それによって肉屋などの業種が追い出される形となったようです。
第二次世界大戦中には洪水やドイツ軍による爆破の恐れがあっようですが、ヒトラーが橋を保存するように直接指示したとのことです。
4. 風雨橋(中国)
中国南部の少数民族であるトン族によって造られました。彼らは川の多い低地や谷に居住しているため、橋を建設することに長けたと言われています。風雨橋と呼ばれるこれら屋根付きの橋は、釘を使わずにはめ込んで造り上げるそうです。特に有名で大きなものが「程陽風雨橋」や「程陽永済橋」で1本の釘も使われていないそうです。
3. ブルックリン橋(ニューヨーク・アメリカ)
1855年にジョン・ローブリングがこの橋をデザインした時には、世界最長の吊り橋でした。イースト川に架かるこの橋は現在では最も交通量の多い橋のひとつとして有名です。
ローブリングは市からこの橋の建設許可を得るのに14年もの歳月を掛けたそうです。ようやく許可が降りて現場の調査に行った際に足をフェリーに潰されてしまい、建設施工3週間前にして破傷風で亡くなってしまいました。
その後、息子のワシントン・ローブリングが後を引き継ぎましたが、彼もまたケーソン病に犯され下半身を麻痺。しかし妻のエミリーが工学を学び現場へ何度も足を運んでチーフ・エンジニアの夫を支え、1883年に竣工・完成しました。
橋が完成したときにはエミリーがその栄誉をたたえられ、勝利を表す雄鶏を膝に乗せて最初に橋を渡ったそうです。同時期に造られた橋のほとんどは崩壊していますが、ブルックリン橋は当時必要と考えられていた強度の6倍にしてありました。このことも現在ローブリングが評価されている理由のひとつとなっています。
2. タワー・ブリッジ(ロンドン・イギリス)
19世紀後半の時点でロンドン・ブリッジの交通量は非常に多かったと言い、それがタワーブリッジの建設の理由となったようです。
建設が始まったのは1886年。橋の真ん中から両側に開く跳開橋となっています。最初の建築家は完成する前に亡くなり、後を引き継いだジョージ・スティーブンソン氏がデザインを少し変え、外壁をレンガからロンドンタワーに合わせるようにビクトリア・ゴシック調にしたそうです。
1. ゴールデン・ゲート・ブリッジ(サンフランシスコ・アメリカ)
サンフランシスコのシンボルとも言えるこの橋ですが、建設当時は不可能な事業だと思われていたようです。
1916年に初めて橋を建設するアイデアが構想され、当時で1億ドルという予算設定だったことからほぼ即決で却下されるようなプロジェクトでしたが、当時の橋建設のベテランだったジョセフ・シュトラウスが20年に渡り請願し続けたそうです。
22年目についに実を結び、建設にこぎつけることになりました。赤く見える橋は実際は朱色ですが、常に曇っているサンフランシスコの風景によく映えます。
文字通り人々の生活を支えてきた橋ですが、今日当たり前に水の上を渡れているのも、建築家や携わった人たちの尽力があったからこそですね。
10 Most Beautiful Bridges in the World
売り上げランキング: 4954