「彼らは真のヒーローだ」海外で福島原発の作業員50人に称賛の嵐
地震、津波、原発の問題と、世界のメディアが日本の現状をトップページを飾る日々が続いています。
中でも危険な状態が続く福島第一原子力発電所の情勢は注目度が高く、作業員がトラブルを食い止めようと日夜必死に取り組んでいます。
この危険な現場にいる作業員の人数が50人ということが海外に伝わり、彼らこそが真のヒーローであると称賛の声が高まっています。
原発の問題は海外でもかなり注目され、各国でもどうなることかと推移を見つめている様子です。50人ほどの作業員が炉心溶融を防ぐため、交代で決死の作業を続けていることもニュースになっており、ありとあらゆる問題が考えられる中、どうやって冷やすか、放射線レベルをどうやって低下させるかと命がけの状況が続いています。
海外の専門家によれば、どのような防護服を着ていても現場では何らかの健康に支障が出る可能性があるといった見方をしています。ノースキャロライナ大学の疫学のデイビッド・リチャードソ教授は、「現在福島にいる作業員が1時間にさらされる放射能の量は、米国の原子力発電所に勤務する作業員が一生をかけて受ける放射能の量と同じである」とBBCに伝えています。
また香港大学の毒物学者のリー・ティン・ラップ氏は、「現在の放射能のレベルはすぐに危険というレベルではない」と伝えながらも「長期的には影響が出る可能性もある」とロイターに伝えています。「呼吸により肺や、皮膚、目、口などから吸収されることによって、長期的にはどんな影響が出るか未知数である」とも付け加えています。
英語メディアでも、それぞれの建物の爆発や、どんな量の放射線が計測されているかまで事細かく報道されていますが、この50人の作業員たちの記事は、「彼らこそが真のヒーローであり、称えるべきである」と言った論調で、フェイスブックや掲示板などを中心に脚光を浴びています。
海外掲示板の反応を、抜粋してご紹介します。
・今把握していることは、これらの作業は引き返せないってこと。彼らは勇気がありヒーローだよ。「仕事だから」という理由でツインタワーに救助に行った9/11の消防士たちのように信じられない勇気さ。マスコミが彼らの写真と名前を公表してくれたら称賛できるのに。本当にリアルなヒーローだ。全員がだよ。
・自分のことを冷静な人間だと思っている。だけど今、日本で起きていることはオレに涙を流させる。オレは日本人も日本の文化も本当に好きなんだ。心が潰れそうだよ。
・日本を訪れた経験があるオレからも言わせてもらうと、ほとんどの人は日本って国がどれだけ偉大であり、文化を持っているのか過小評価していると思う。日本を去ってから、もう一度行きたくてしょうがないよ。ぜひチャンスがあったら文化を学んで、基本的な日本語を学んで、少なくとも東京を経験してみて欲しい。今まで経験したこともないことが、そこにあると保証する。そしてオレは次に行くまで待てない。
・彼らにとってかなり厳しいことになると思う。警察、消防士、その他注目を受けている人々が勇気がないと言っているわけではないけど、ほとんどの人間は苦しまずに急に死が訪れる分、まだマシだと言える。この50名は違うんだ、病気などによって生命が激烈に短くなってしまう。
・かなり大きなリスクで、彼らは本当に勇気ある人々だ。
・もしかしたら突然変異でスーパーパワーがついて、寿命が劇的に伸びるかもしれない。
・アメリカが9/11の生存者にしたよりも、日本はその生存者を手厚くしてあげて欲しい。毎日ステーキと女を一生約束してやるんだ。
・みんな大げさすぎる。まだ問題となる放射線量よりずっと低いんだ。
・誤解をしないで欲しいが9/11の救助隊は勇気あるヒーローたちだったが、彼らはツインタワーが壊滅することは知らなかった。だがこの日本人たちは全く違うレベルにいる。みんな彼らがやっていることを想像してみてくれ。どんな風に死ぬかがわかるんだぞ。
・このニュースが掲示板の一番人気になることは、彼らに対しての祈りになると思っている。一票を投じたい。
・彼らこそがヒーローの定義である。
・まさに本物だ。歴史で読むような内容だ。大きな人間だ。もう他に言うことがない。彼らは本当にヒーローだよ。
・チェルノブイリのドキュメンタリーで封鎖担当の科学者が事故の直後に「この手の災害を招かない方法は原発を持たないことだ」と発言している。これは1988年のことで、彼はこうも言った。「放射能に対応する知識やテクノロジーを我々は欠いている」。当時は遠隔操縦のブルドーザーで損壊した瓦礫を片付けていたが、未来にはそういった無人の手段が人に被害を負わせないために出てくるかもしれない。
・アルファ粒子は紙によって止められ、ベータ粒子はアルミニウムによって止められる。ガンマ放射線は驚くほど周波数が高い(それより高いものがないほど)。そのため透過率が高い。宇宙服は少しは防護になるかもしれないが、完全ではない。
・宇宙服の保護は雨の日の紙みたいなもんだ。
・とにかく放射能から守るには鉛による保護とたくさんの水だ。放射線バンカーが周りに作られていると思うが、そこら中で実行されているわけじゃない。とにかくどうやって生き残るか、どうやって放射線から身を守るかを忘れないでいて欲しい。放射線にさらされる時間を短く、距離を長く、保護を大きく(時間、距離、保護)だ。
・ヤマトダマシイは生き続ける。
・一歩間違えば、命がけのホットゾーンに入ることを思えば、彼らは勇気がある。だけどあまりセンセーショナルに捉えないようにしよう。248ミリシーベルトは平均的な人間が40年に自然に受ける被曝量だ。原発の作業員はさらに400〜800ミリシーベルトが20〜40年の間に上乗せされる。もし彼らが1時間に248ミリシーベルトを被曝したなら、すでに死んでいるはずだ。
・さらに200人くらいが当たっているとも聞いた。ひとりあたりの被曝量を最低限に抑えるために。また、水を撒くヘリコプターのパイロットや、水を放水する警察がいることも記述しておく。全員がヒーローだ。だが帰還できないミッションではない。ハイレベルの放射線に体を投げ出しているわけではない。詳しいことはここに書かないが、彼らがひどい死に向かっているとは思わない。オレは生き残るということに関しては楽観的だ。ヒーローになるのに死ななくても良いはずだ。
・現時点の放射線がどんなに低量か理解されていない。まだ長期的にも問題が出ない程度だ。ソビエトのチェルノブイリと比べものにならない。
・別のソースから見た内容からすると、原発の放射線からガンになるまで15〜30年ほどかかるそうだ。ほとんどの作業員は別の理由で亡くなることが考えられる。
・心のどこかで彼らが超能力を持って出てくるんじゃないかと願ってる。
冷静に判断する人や、称賛する人の声などいろいろですが、遠い国の彼らから見てさえも、現場で作業する方々には頭が下がる思いのようです。
志願して現場の応援に向かった職員もいるとのことですが、見守るしかない我々は、報道されてるように危険ではないレベルの被曝で済むよう祈るばかりです。
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