心に響く子供たちへの3つの質問
大人には大人の都合がありますが、子供たちがその犠牲になることも少なくありません。
アメリカの都市部の公立小学校でボランティアとして働くジュディ・ゲルスさんは、アジアやヒスパニックからの移民者、アフリカ系アメリカ人の子供たちと一緒に仕事をしてきました。
彼女は子供たちとコミュニケーションを図るためにどの子にも3つのシンプルな質問をしました。すると子供たちの答えは悲しく心に響くものだったそうです。
子供たちにした質問はシンプルな3つです。
- 一緒に住んでいる人はだれですか?
- 今一番望むことは?
- 今不安に思うことは?
僕は学校に3人の敵がいる。一人は家に帰る途中で僕を殴り、他の二人は学校で僕をからかう。学校から家に帰るまでに3回殴られる。2年前にいとこを訪ねてベトナムに行った。ベトナムのほうがよかった。ベトナムに住めたらいいなと思う。
私はお母さんとお父さんとおばあちゃんと二人の兄弟と暮らしている。おばあちゃんは歩けなくて車椅子の生活をしている。もう一人のおばあちゃんはハワイに住んでいる。おばあちゃん二人とも好き。だって私のことを認めてくれるから。
僕は自分の家族が撃たれるんじゃないかと心配だ。いとこは撃たれて死んだ。誰も銃なんて持たない方がいいと思う。警察も。そしたら誰も撃たれることはないんだ。
私のお父さんは刑務所にいる。一ヶ月に一回お父さんを訪ねる。お父さんは私が赤ちゃんのときから刑務所にいる。刑務所から帰るときはお父さんも一緒に帰れたらいいのにと涙が出る。
お母さんは妊娠している。お父さんはオハイオに住んでいる。お父さんといっしょに一年オハイオで住んだ。二人が一緒に住んでくれたらいいのに。僕のカウンセラーは僕が短気になって喧嘩をしないように助けてくれる。クローゼットに入って10数えるんだ。
僕の家族は全員メキシコで生まれた。アメリカには3歳のときに来た。お母さんとお父さんと3人の兄弟とお姉ちゃんと姪と一緒に住んでいる。お父さんとお母さんがメキシコに国外追放されるかもしれないと心配だ。そうしたら一人ぼっちになってしまう。
私の家には16人が住んでいる。両親と3人の姉妹と弟とおじいちゃん、おばあちゃん、3人のおばさんとおじさん、3人のいとこ。みんなで北京語、ベトナム語、広東語、英語をしゃべってる。寝るときはひとつのベッドで他の3人の姉妹と寝てる。大きくなったらお医者さんになりたい。
どんな子供でも何かしらの不安は抱えているものですが、大人の都合もさることながら日本では想像しがたい複雑な環境があることが伝わってきます。