海外掲示板で白熱「フクシマを理由に原発廃止の動きってどう思う?」
福島第1原発の事故で最悪の「レベル7」への引き上げも検討されるなど、まだまだ先の見えない状況が続いています。
原発計画の見直しも相次いでいますが、続行するにしても廃止するにしても、電力確保や手段など含め一筋縄でいくことではなく、これから現実的な着地点へ向けて国民全体で決めていくことになるのだと思います。
さて、この問題は諸外国にも多大な影響を与え、是非や計画について議論も活発になっているようです。
海外掲示板で「フクシマを理由に原発廃止の動きってどう思う?」という投稿がありましたのでご紹介します。
もとの投稿文は以下のとおり。
もちろん悲劇ではあった。だけど巨大な活断層の上に旧式の原子力発電所が建っていたら、そりゃいつかは壊れていたのではないだろうか。
この問いかけに対し、数多くの意見が寄せられていました。
特定の掲示板のものなので、一定のバイアスは掛かっていると思いますが、海外の反響の一つとしてご紹介します。
・そう思う。
・原発の利用に関して、フクシマは問題点を浮き彫りにしてくれたよ。我々は原発の管理者たちが、ちゃんと最先端の運用をしてくれると信用できるのか?原発を旧式のものから最新のものに変更せずとも、安全と言われるところまでテクノロジーは発達するのか?新しく安全な危険防止装置が取り入れられる以前に、どこかで事故が起こるのを世界は待っているのか?原油関連の団体がどれだけ安全対策を怠ってきたのかを見た後で、原発関連の団体が違うふるまいをすると期待できるのか?
専門家であろうと反対者であろうと、これらの疑問を投げかけるべきだ。もちろん原発は安全だが、人々はいつかどれかが原爆のようになると不安になっている。今回のような出来事は、そういった恐怖心を鎮圧できない。
・原子炉は原爆ではない。原爆のように爆発しない。放射能が問題であって、いきなり爆発するものではない。
・廃止に怒る?怒っちゃいないが、このパニックを起こした群集心理の状況には失望している。
・じゃあ、日本に行って原子炉の修理をしたらいいよ。上手くいっているか連絡もくれ。
・オレは、風力や太陽光など、その他の方法を支持せずに、伝統的なこの燃料を使い続ける言い訳となっていることに怒ってるね。
・風力や太陽光は人が認めたくない問題点をかなり抱えている。原発の方がはるかに汚染が少なく一番信用できるものだよ。なおかつ原発は風の強い場所や暑いところでない限りどこにでも建てられる。
・風のない場所や夜でもパワーを供給できるしな。
・疑問は放射性廃棄物をどう処理するかという、見込みのある解決法が見つかったのかということだ。
・一般的な計画では、乾燥した地下にすべて閉じ込めてしまうというものだ。
・何年も風力発電のエンジニアとして働いてきた自分に言わせると、風力にとって変えるという対案は失笑ものだ。
・興味があるな、どう失笑ものなのか、もうちょっと説明が欲しい。
・僕がちょっと説明してみよう。背景を言うと僕はフィンランドに住んでいて、今ここでは30年前に最初の原発が建設され(現在4基が稼動中)、政府は現在さらに2基の原子炉の建設を認可すべきか議論の真っ最中である。反対派は再生可能エネルギーとして風力を推している。僕らの国はとても寒いから、真冬は電力の消費がピークに達するんだ。
フィンランドでは95%以上のエネルギーは原発が供給しており、毎時平均815MWの電力を供給している。新しく建設される原子炉からは1500MWの電力が得られる予定である。
それに対して一番大きい風力で得られる最大の電力は3MWである。これは理論上の最大なので、実際にはもっと少ない。フィンランドでは平均出力は平均名目パワーの16%で、一番ニーズの高い2月と3月に風が弱く、出力が最低となってしまう。
そのため原子炉に対抗する出力を出すのに3000基の風力タービンが必要になる。ただしそれだけではない。すでに一番風力の強そうなエリアは利用済みである。新しくタービンを建てるところは風力が弱いところになるので、より効率は落ちる。それも平均的な供給に達するためだけの話でだ。風力のないところには石炭等が必要になる。
さらに政府が支援を十分にしたとしても、電気代は原子力発電所より高くなる。
・いやフクシマは言い訳じゃなく、一体何がどう悪くなるかというわかりやすい例だと思う。
・最悪の場所に何十年ものの古い原子炉だろ…。
・何を証明されたかというと、人は結局バカな決断をするし将来もまたするだろう。自分の意見を言うと、みんなに"おもちゃ"を与えるにしても、誰かがつまずいてその上に転ぶようなことがあったときのために、尖った部分は取り除いておこうってことだ。
・じゃぁひどい自然災害が来る場所じゃなく、さらに何十年もの古い原子炉じゃなけりゃ全てはOKってことなのか?
・現在通用する安全基準に達しているような厳しい規制は実施させることだな。ほとんどの事故の歴史は政府か会社が運用経費をケチったからという結果があるからだ。チェルノブイリは何十年も前の基準にさえ達していなかった。こういう当たり前のことをいちいち挙げないといけないことが悲劇で、原発は一番安全な記録を持つパワーである。飛行機が交通手段の中で一番安全記録を持っているのといっしょさ。きちんと責任を持って正しく操作されれば、無視できないリターンがある。
・こういった大きな津波が発生する確率 vs 何か…テロ攻撃みたいなのはどうなんだ?何が起こるかなんて誰にもわかるもんか。
・ついさっきの安全性の正当性が急速に埋もれた。
・原子力ベースのトリウムがどうして乗り物に利用されないのかわからない。
・原子力はこわぁぁぁぁぁいからだ。ウゥゥぅぅ、放射能!
・放射能が空気や水に漏れ出していることに怒りを感じる。
・いかに安全でも、問題が起きたときは近隣地区が致命的なことになる可能性を秘めている。これが「うちの庭ではお断り」という気持ちにさせる。
・えっと理屈はこうだ。もしいつか壊れるものなら、それを根拠として原子力を利用するな。(特に日本、カリフォルニア、その他地震の活発なところでは)君らの理屈であってオレのではない。古くならないものなんてどうやって建てるんだい?
・カリフォルニアでは地震について指摘されたとき、原発を建設する会社は基本的にその可能性を無視した。過去20年ほどに蓄積されてきた新しい問題データの見直しなしに、奴らは管理の許可を拡張しようとしている。
・フクシマでは地震じゃなく、津波が直接の問題だったと思う。
・カリフォルニアにも水害はあるぞ。
・それで津波は何で起こるんだっけな?
・古い原子炉、管理ミス、最悪の地震、さらなる津波、これらが原発の終止符になる理由にはならない。新しい原子炉は効率もよいし溶解しやすくない。
・原発災害が人に疑問を持たせるきっかけになったらいけないのか。その他の原発で起こるかもしれないと?
・原子炉は44年の古さだった。かつ、新しいものに変えなければいけない時期まで6年あったことから、削減出来る費用はすべて削減していた。これは実際に最悪のシナリオさ。
・認可されているAP1000のような新しい原子炉デザインでは、フクシマで起きているような問題は起こらない。
・原発が偽試験や費用削減を繰り返し行う強欲な企業に建設されるのでなければ、もっと支援していると思うよ。企業は利益を増やすことを主要としている。人命を重要視しているわけではない。そんな危険なものを彼らの手に任せることが愚かなんだろう。
フィンランド人の意見もありましたが、ドイツが原発への反対が根強いこともあり、推進しているフィンランドは欧州の原子力のモデル国とも呼ばれているようです。
日本はもとより世界各国で、原発のありかたや運用の仕方について考えていくことになりそうです。
Is anyone else mad that people are using Fukishima as a reason to abandon nuclear power?
文藝春秋
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