タバコの中に食欲を減らす化学薬物が入れられていたことが裁判で明らかに
禁煙を始めると、とたんに体重が増えてしまう人は少なくありません。
手持ちぶたさだからとか、タバコを吸えないストレスであるとか、食べ過ぎてしまう理由は考えられてきましたが、喫煙時の方が体重をキープしやすいことには別の理由があるかもしれません。
アメリカの法廷に提出された資料から、タバコに食欲を減退させる化学物質が含まれていたことが明らかにされました。
裁判で証拠とされた内部資料は1949年から1999年にかけてのもので、タバコ会社大手であるフィリップ・モリス社とブリティッシュ・アメリカン・タバコ社が、強力に食欲を減退させる化学物質を意図的にタバコの中に混入していたことが判明しました。
化学物質はアンフェタミンや笑気ガスとして知られる亜酸化窒素などで、体重を気にかける人々を引き込むための戦略であり、タバコを吸えばダイエットの一助になると思わせることを、50年以上にもわたって行っていたとのことです。
その他の4社についても混入されている薬品があるか試験をしていましたが、その後どうなったのかは明白にされていません。
スイスの研究者は、このことから喫煙者が禁煙を始めると体重が増えやすいことに説明が付くと主張しています。
こういった情報は繊細な問題を抱えていることから、ほとんどの場合、企業側がデータベースから情報を削除してしまうそうです。
カナダのウォータールー大学のタバコ産業に詳しいデイビッド・ハモンド教授によると、現在もこれらの化学物質が添加されているかはわからないとのことです。
近年はタバコに対する風当たりが強いですが、本当に化学物質がダイエットに有効なのか、日本のタバコがどうであるのかも含め、裁判の行方が気になるニュースです。
Tobacco firms used diet-aid chemicals
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