ついにツタンカーメンのルーツが判明?「ヨーロッパ男性の半数と同じ遺伝子を持つ」との海外報道
黄金のマスクで知られるツタンカーメンは、死後3300年もの間ほとんど盗掘の被害に合わなかった例外的なファラオ(王)であり、古代エジプト諸王の中でも最も親しまれている存在です。
その遺伝子ルーツは今まで謎が多かったのですが、スイスの遺伝学者によってついに明らかになったと海外メディアが報じています。
CTスキャンによるツタンカーメン王の再現CG
ロイターなどの報道によると、スイス・チューリヒに拠点を置く遺伝子系図研究所「iGENEA」がツタンカーメンと父方の家系の遺伝子プロファイルの再現に成功、西欧諸国の男性の半数以上と同じ遺伝子プロファイルグループであることが判明したと報じています。
さらにスペイン人男性では7割、フランス人男性では6割が同じグループとなり、ローマン・ショルツ所長は「約9500年前に共通の祖先がコーカサス地方(カスピ海と黒海に挟まれた低地)に住んでいたと考えられる」と述べています。
一方、現代のエジプト人で、この遺伝子グループに属している割合は1%に満たないとのことです。
数千年前のミイラは、遺伝子情報の大半が損なわれているため通常はDNA採取が困難ですが、第18王朝の王家であるツタンカーメン一族に施された防腐処理は、偶然にもDNA保存にも役立ったことから採取に成功したそうです。
この報道からは「ツタンカーメンはヨーロッパ人と同じ祖先なんだ」と受けとれますが、以下のブログに興味深い反論意見もありましたのでご紹介します。
ツタンカーメンの遺伝子解析:ぶっちゃけこれってインド・ヨーロッパ語族みたいなもんだよね…
ツタンカーメンの遺伝子解析「ヨーロッパ人に近い!」→実は遺伝子調査キットを売るための戦略?!
実際のところはわかりませんが、歴史に思惑が付きまとうことが多々あるのが、判断をいっそう難しくさせる要因ですよね。
Half of European men 'share Tutankhamun's DNA'