NOと言えない日本人に効果的な英語学習
ある日、自分の勤務する会社の上司から、「海外との取り引きがあるからお前が交渉に行って来い」なんて言われたらどうしますか。
いきなりの上司の命令に、多分「ええええ!!なんで僕が!?」なんて心境になる人がほとんどではないでしょうか。
企業ともなれば英語の出来ない人に交渉なんかさせないのでは?と思うかもしれませんが、実は驚くほどこの「お前が行って来い」というのは多いのです。
さて、もしそう言われたとしたら、あなたはどんな勉強をしますか。時間はいくらでもあるわけではありません。
まぁ取り引きと言っても、こちらが客側の場合は、買い物のコツといっしょで、
How much?
(おいくら?)
It's expensive.
(うーん高いな)
と、この2つさえ、沈黙を利用しながら駆け引きすれば、なんとか形にはなるものです。(たぶん)
問題はそれ以外の取り引き、交渉、付き合い、クレーム処理、お断り、などなどです。実に敷居が高そうです。日本語ですらすらやっているのと同じことを、英語でスラスラ出来るのか、となります。
通常の業務もあり、英語の勉強をしている時間もありません。そうするといかに少ない時間でいかに仕事に使えるようにするかというビジネスマン特有のジレンマが出来てしまいます。
英語の勉強は、車での移動と同じく目的地までの距離は絶対に縮まりませんが、スピーディーに進める高速道路や、知る人ぞ知る近道というものがあります。
2週間でペラペラとか、コレさえ覚えれば大丈夫、なんて夢物語ではありませんが、効率よく学習する2つのコツがあります。それは…!
1.頭に入るように朝に学習する
以前にもいかに覚えたことを忘れてしまうかを伝えましたが、朝の学習は脳を覚醒しやすく、他の時間に比べてより忘れにくいようです。
2.英語を使う状況を一緒に学習する
状況で学べば、場面として頭に入るので忘れにくいという利点と、日本と対処の違いが異なる英語の文化を同時に身につけられる効果があります。
状況を一緒に学ばないとむしろ文化などを交差させたり、英語では失礼な事例になってしまうことも多いのです。
例えばイギリスで日本語を教えているときに、よく外国人から聞かれる質問で、「英語の"NO"は日本語では何て言うの?」と言うのがあります。
"NO"は 「ない」「違う」「いない」「しない」「無」 などの多くの否定を表す言葉で、そこまで全部の意味を含む否定語の日本語はありません。そこで私は状況ごとに教えています。
でもでも、ちょっと待った…
日本語での”NO”という表現だけを正しく覚えても、日本人は断り方にもとても気を使うだとか、「NOと言えない日本人の心」を理解できていないと、例えば…
(ケース1)
親切な日本人
「今度うちに遊びに来ませんか」
イギリス人生徒
「行きません」"NO!"
親切な日本人
(グサッ…)
(ケース2)
心優しい日本人
「これとてもおいしいでしょう?」
イギリス人生徒
「おいしくないです。」"NO!"
心優しい日本人
(グサッ)
それこそ私の心の中で、 「ノォォォォッ!」 という叫び声。
これと逆で、日本人はあっさり「NO」と言えないといけないので、クレーム処理や交渉で「NO]と言えるような状況の学習が必要なわけです。
(ケース3)
外国ビジネスマン
「この取り引きは値段を半分まで下げてもらわないと成立しませんよ」
気弱な日本人
(そんな…無理……と言えずに)「何とかしてみます。」
こういう状況をたくさん練習する必要があるわけです。
以前にも紹介した、アルクの
「朝英語Biz」
では
「朝に学ぶ」「状況を学ぶ」
が入っており、困ったときにどんな言い方をしているのか、どんな挨拶をしているのか、など状況ごとの英語がふんだんに含まれています。
ビジネス以外でも困ったときなどの状況としていろいろ学習できます。
状況学習と言うと、ノーと言えないぜろんぱ(日々英語学習に健闘)に、ぜひとも状況によりノーと言える立場を練習してもらうべく協力してみました。
らば
おはよー
ぜろんぱ
おはよー
らば
ねね、この前言っていた仕事の話だけど、私ちょっと立て込んでて遅れそうなのよね。代わりにやっておいてくれると嬉しいなぁ。
ぜろんぱ
え?お、オレやんの?
らば
え?何?何か問題でもあるのかしら?
ぜろんぱ
(基本NOと言えない性格)い…いや…問題ないけど。
らば
ああ、そうそう、この前頼んでおいた買い物、あれも頼んでおいていい?
ぜろんぱ
(うっ)わ…わかった。(あくまでNOと言えない)
らば
もうひとつこの前お願いしたほらあの調べ物、あれ今すぐやってくれる?
ぜろんぱ
今日はなんかお願い多くない?
らば
気のせい気のせい。あなたが出来ることを見込んでるからこそ、頼んでるだけよ。
ぜろんぱ
出来るなんて言った覚えは…。
らば
出来ないと明言しない限りは、快くYESと答えていることになるのよ。英語では!
ぜろんぱ
だが待って欲しい、何で今英語なのか。
らば
気にしないの。ついでに○○もやっておいてね。
ぜろんぱ
ええええええええええええええ。
らば
返事に「ええええ」なんてないの。YESかNOにしてちょうだい。
ぜろんぱ
の…NO
らば
がんばればNOも言えるじゃない。その調子よ。
ぜろんぱ
最初から頼まなければいいじゃないか。
らば
何か言った?
ぜろんぱ
ノォォォォッ!
らば
よろしい。
こういう状況学習で、NOと言える日本人になりつつあります。これからじっくり厳しい状況に追い詰めて「NO」がうまくなるようにしごいていこうと思います。
当然ながら頭の一番回転する朝に…
さて、あなたも朝にいろんな状況の英語を学んでみませんか。
アルク 〜 朝英語Biz
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