忘れっぽい人に朗報…忘却は心を健康に保つ
物忘れが激しいとか、せっかく勉強しても端から忘れていくなんて悩みはありませんか。
そんな忘れっぽい人に朗報です。
実は忘れてしまうということは、心を健康な状態を保つための大事なプロセスであるとのことです。
20世紀前半に、ソロモン・シェレシェフスキーと言う記憶の天才として知られた人がいました。
どんな風にしてその特異な能力を身につけたのかはわかりませんが、彼の記憶の完璧さは異常と思われるほど、どんなものでも覚えていたようです。
たった一度聞いただけで、どんな長いスピーチでも一語一句正確に再現してみせ、どんな複雑な数学の公式も、外国語の一節でも、50の数字からなる表であっても、全く意味のない音節であっても記憶することができたのです。
さらにそれらの内容を何年経っても思い出すことが出来たと、心理学者のルリヤ氏が発表しています。
しかし年々増えていく膨大な記憶の量に、シェレシェフスキー氏は徐々に混乱をきたしてくるようになったのです。記憶するときには各単語にイメージがあり、思い出すときは単語のイメージを引っ張り出すのですが、それぞれが衝突し始めるようになりました。
結果としてカオスな状態に陥り、最後には決断を下すことさえ出来なくなったことから、とにかく忘れようと努力をしたそうです。
その後、忘却には精神の安定を図る役割のあることが、いろんな研究からわかってきました。
心の平常心を保つために忘れるということが必要であり、それを理由に飲酒したり、ドラッグにのめりこんだりすることもあるようです。
アインシュタインの言葉には、こんな言葉があります。
「もし本に書かれていることなら、記憶する必要はない」
本だけでなく、現在は検索すれば多くの情報が閲覧できる時代になり、覚えていないと不便なことは少なくなっています。
「忘れる」という技術は健康に良いようですので、物覚えが悪いなんて人は、むしろポジティブにとらえて良いのかもしれません。
もちろん、忘れっぽくなることを奨励しているわけではないですが、なぜか大事なことほど忘れ、余計なことほど覚えているものですよね。
Forgetting is Key to a Healthy Mind
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