2012年02月05日 19:37

アメリカ人「中国語の発音ヤバイ、ありえない」

 

中国語の発音00
日本人が英語を習得する上で、大きな壁となるのが発音です。

何しろ日本語の母音はアイウエオの5つしかないのに対して、英語はア系列だけで5つもあるのだから、苦労するのも当然と言うものです。

ところが中国語を少しでもかじったなら、英語の発音よりも難しいことを知ることになります。

アメリカ人が「こんなのわかるか!」と悲鳴を上げていた、ある中国語の文章をご紹介します。

中国語の発音01
上段:中国語の原文。
中段:英語の発音に置き換えたもの。
下段:英語に翻訳した文。

中段は、すべて“shi shi shi shi shi shi shi shi shi...”の発音だけが羅列されています。

微妙にshiの発音は違うそうですが、英語圏の人々がこの発音を見て「なんじゃこりゃー」となっていました。

それもそのはず、英語の母音が14(短母音)+5(2重母音)=19個あるのに対して、中国語の母音は36個もあるというのだから、表記しきれないのも当然です。
(単母音6 + 捲舌母音1 + 複合母音13 + 鼻母音16 = 36個)

英語の“she”と“sea”の発音が違っても、日本語では同じく「シー」になってしまうようなものでしょうね。

でも、さすがにこの文章は中国人でも音で聞いただけでは理解しにくいとのことです。ちょっとホッとしたかも?

日本語でいう「庭には2羽、鶏がいる」だとか、「スモモも桃も桃のうち」みたいな早口言葉に似た感じはありますが、さすがにこれだけ似た発音で長いストーリー展開になっていることには感心です。

日本語は、世界の言語の中でも母音も子音もかなり少ないユニークな言語だそうですが、日本人が英語で苦労するのと同様のことを、中国語を学ぶ英語圏の人も感じているのだと思うと親近感が湧いてきますよね。

でもどうせなら、もう少し母音や子音の多い言語にして欲しかったと、ご先祖様にお願いしたいところです。

(2012/2/6)追記:
読者の方から以下のご指摘をいただきました。

『英語話者が中国の発音“shi shi shi shi shi shi shi shi shi...”について難しいと感じたという記事ですが、これは音声(正確には音素)の違い自体が問題なのではなくて、中国語の「声調」の難しさを嘆いているのではないでしょうか。おそらく英語話者なら/shi/の音を聞き分けることも、発音することも難しくは感じません。なぜなら、英語には音韻として/shi/が存在するからです。おそらくこの記事を書かれた方は中国語をご存じではなかったから、このように誤解されているのかもしれません。

ちなみに、画像の“shi shi shi shi shi shi shi shi shi...”についている記号は、声調を表します。そして、ローマン・アルファベット+声調記号がついた中国語の発音表記をピンインといい、中国語を学習する時には最初に習います。

また、中国語や英語の母音・子音の「数」について言及しておられますが、それは正確には「音素」であって、「音韻」ではありません。普通の学習者は、挙げられているような「音素」をすべて識別したり、発音しなくては、「英語」や「中国語」で用が足せないわけではありません。もっとも、いわゆる「ネイティブ」並の発音を目指したければ、すべての「音素」を完ぺきにこなす必要があるでしょうが。

それと、「日本語は、世界の言語の中でも母音も子音もかなり少ないユニークな言語」は俗説です。言語類型論による成果によると、日本語は子音・母音の音素体系が特筆に値するほど簡素な言語ではなく、特段珍しくもない言語だそうです。アラビア語なんかは、母音が3つしかありませんし、母音が2つしかない言語もあるそうですよ。松本克己 『世界言語のなかの日本語 : 日本語系統論の新たな地平』 (三省堂, 2007)を参照してください。』

教えてくださった方、ありがとうございます!

Chinese is hardcore

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