どんなところ?ネパールには「ハゲワシのレストラン」がある
「ハゲワシ・レストラン」と聞けば、いったいどんな肉が出てくるのだろうかと思うかもしれませんが、ネパールには人用ではなくハゲワシが客というレストランがあるそうです。
その目的は、絶滅危惧種であるハゲワシが安全に食事できるようにと用意されたものだとのことです。
レストランとは言っても、当然ながらテーブルやイスがあるわけではなく、もちろんお会計もありません。
メニューはハゲワシのために用意された牛の死がいで、担当の女性がワゴンに積まれたものを地面に置いていきます。
女性はすぐ小屋に隠れ、しばらくするとハゲワシたちがエサを求めて舞い降りてくるそうです。
ハゲワシは動物の死がいを探して飛び回ることで知られていますが、ネパールではディクロフェナックという薬品を使用した家畜をハゲワシが食べると腎不全を発症して死んでしまい、急激に数が減ってしまいました。
2006年にはディクロフェナックの使用は禁止となりましたが、それでも20年前には10万羽いたとされるハゲワシが今では1000羽に満たない状況で、安全なエサを与える目的でこのハゲワシ・レストランが考案されました。
5年前から行われているこのレストランのおかげで、エサ場にやってくるハゲワシの数も増え、巣も17から46にまで増えているとのことです。
地域ではもともと不吉な鳥として重要視されていなかったのですが、住民たちもハゲワシに対する接し方が変わってきているようです。
絶滅してからでは取り返しがつかないだけに、こうした地域的な取り組みが実を結んでくれることを期待したいものですね。
Nepal's vulture restaurants for endangered birds