撮りっぱなしじゃもったいない!デジカメ写真の本来の美しさを最大限に引き出す方法
最高の一枚を求めてコンパクトデジカメやデジタル一眼レフを買ってみたものの、納得できる綺麗な写真がなかなか撮れない…という方は意外と多いはず。
それもそのはず、最高の1枚を得るにはカメラやレンズへのこだわりだけではなく、撮影後の微調整、つまり現像がとても大切なのです。
現像の有無で仕上がりがどれだけ違うのか、実際に試して比較してみたのでご覧下さい。
今回現像
※
に使用するのは、
Adobe
®
Photoshop
®
Lightroom
®
4
(以下LR4)。デジタルカメラで撮影した写真を美しく仕上げるためのアプリで、各社デジタル一眼のRAW形式の他、
一般的なJPEG形式や動画にも幅広く対応しています。
※デジタル写真で言う現像とは、デジタルカメラのRAW(生)データを調整し、一般的な画像形式に変換する事を指します。
対応OSはWindowsとMacOSXで、価格は通常版で16,800円。購入前に使い勝手が試せる、30日間の無償体験版が提供されています。
Adobe Photoshop Lightroom 4
そこで先日撮影してきた桜が咲き始めた井の頭公園の写真を元に、現像一つでどれだけ仕上がりが変わるのか、機能ごとに比較してみましょう。
色補正
まず現像においてもっとも基本となるのが色補正。ホワイトバランスや明るさ、コントラストなどの値を微調整するだけでも、「ただ撮りました」という印象からガラリと変わります。
逆光などの厳しいシチュエーションでメリハリの無くなってしまった写真でも、トーンカーブを調整すれば、目で見た印象に近づけることができます。
トーンカーブの調整は慣れないとなかなか難しいのですが、LR4の場合、カーブを直接いじらなくても、4段階に別れた明るさごとに微調整ができるため、調整は比較的簡単です。
夕暮れで暗く沈んでしまった桜も、シャドウを調整することで空の明るさはそのままに、暗く沈んだ部分だけを明るく調整。また「自然な彩度」を少し上げ、桜の色合いを少しだけ鮮やかにしてみました。
色や明るさを微調整するだけで、今ひとつに感じていた写真が印象的な写真に変化するのがわかるでしょうか。現像は写真をイメージ通りに近づけるための、とても大切な工程なのです。
ちなみにLR4では、調整が難しかったデジカメやデジタル一眼で撮影した動画の色補正にも対応しました。別途動画編集ソフトが必要なくなり、LR4だけでデジカメの撮影データを扱えるようになったのは便利かも。
レンズ補正
さて、
カメラの撮影にレンズは欠かせませんが、レンズには歪みや周辺光量の低下がほぼ必ず発生します。例えばこの例では、外側に向かって徐々に暗くなっているのがわかるでしょうか。
これは良く言えばレンズの味わいなのですが、純粋に目で見た印象通りに仕上げたい場合には余計なもの。これを補正してくれるのがレンズ補正です。
実際にレンズ補正をかけてみた例がこちら。写真の隅々まで明るさがフラットになり、目で見た印象に近くなりました。よくよく見ないとわからない微妙な違いかもしれませんが、質の高い写真を仕上げるには、こうした小さな調整の積み重ねが大切です。
ちなみにLR4の場合、メーカー純正の現像ソフトと異なり、非純正のレンズ補正にも対応しています。
また複数メーカーの補正データを持っているため、メーカーの異なるカメラで撮影したデータが混在していても、適切に補正できます。
また、周辺光量や歪みの補正の度合いも微調整できるため、レンズの味わいを残すのも簡単です。
ノイズリダクション
暗いシーンの撮影ではどうしても発生してしまうのがノイズ。縮小しているならそこまで気にならないかもしれませんが、大きく引き延ばしたり、トリミングして使う場合、どうしてもノイズが気になってきます。
こんな時はノイズリダクションの出番。ノイズ軽減で輝度のパラメーターを上げていくと…ざわざわと出ていたノイズが消え、画像がクリアに変化して行きます。
木の幹のような複雑な表面も、木の雰囲気をほとんど壊さずに、ノイズだけをキレイに取り去ってくれています。一体どれほど高度な技術が使われているのかは全くわかりませんが、上手に使うことで一段上の写真に仕上げられることは間違いありません。
変形
LR4には一般的な現像ソフトではあまり見られない、変形の機能も備わっています。例えば垂直にそびえ立つ木々を撮りたかったのに、下から見上げる撮影ポイントしかなく、木々が斜めになってしまったこの写真(左上)の場合…
変形機能で垂直・水平・回転を駆使(右上)して擬似的に視点を変えることにより、理想とするアングルに調整する事ができます。調整はコツをつかまないとなかなか思うようには行きませんが、上手く調整すると真横から撮影したアングルのように補正できました(左下)。そして回転によって欠けた部分を、トリミングで取り除いて(右下)完成です。
この機能は現像と言うよりは加工に近く、純粋に写真の観点から見れば邪道かもしれません。しかし確実に狙った画を必要とするプロユースでは、いざという場面で救われる機能である事も確かです。
部分補正
また今までの補正は全て写真全体に対して行うものでしたが、部分的に同様の現像処理を行うことも可能です。
例えばこの手前の桜が明るすぎる写真から、桜の部分だけを選択、露光量を下げる…なんて高度な処理も。露光量の他にホワイトバランスや彩度など複数のパラメーターを部分的に調整できるので、フラッシュ撮影で手前が明るすぎた写真の補正や、色の違う電球が混在する照明下で色合いを合わせたい…なんて場面で重宝しそうです。
現像例
さて、これらの機能を組み合わせて、実際に何枚かの写真を補正してみました。左が現像前、右が現像後の画像です。
補正前後で雰囲気が微妙に変わっているのがわかるでしょうか。現像の結果の善し悪しは見る人によって人それぞれだと思いますが、より求める写真に近づけるためには、現像という工程が欠かせない事は伝わるかと思います。
いくらいいカメラにこだわっても、現像がおざなりでは写真の魅力は完全には引き出せません。撮影と同様に現像にも時間をかけ、渾身の1枚を仕上げてみてはいかがでしょうか。きっと、今までより1段も2段も上の仕上がりが得られますよ。
そう言えばLR4は写真の管理機能も優れていて、大量のRAWファイルにメタデータを付加して分類したり、何百枚ものRAWを一度にプレビュー、現像できたりと使い勝手も上々。
また、写真に記録されたGPS情報からマップに表示する機能がLR4から新たに追加され、目的の写真を探しやすくなっていました。
ちなみにこれからの時期にオススメの被写体は、5月22日にオープンを控えた東京スカイツリー。これだけ大きなランドマークだと撮影スポットも広く、撮影ポイントや構図によって、色々な表情が楽しめます。
LR4の写真投稿キャンペーンサイト「634ANGLES」には多くのスカイツリーの写真が投稿されているので、作例や構図、撮影ポイントを参考に、自分だけの至高の一枚に挑むのもいいかもしれませんね。
またLR4で現像した写真を投稿した人の中から毎週1名にLR4が当たるので、いい写真が撮れたらぜひ応募してみましょう。
634ANGLES 〜634アングルの東京新名所MAPプロジェクト〜