あえて万人受けを捨てて誕生した異端プレミアムビール「グランドキリン」は、ビール好きなら1度は試すべき逸品
この主流を無視した挑戦的な試み、私は断固支持したい…!
ビールと言えば、ゴクゴク飲んでのどごしを楽しむもの…そんな常識に一石を投じる異端のビール「グランドキリン」が、開発者からの手紙と共に、先日編集部に届きました。
ビール好きを自称しておきながら今までこのビールを知らなかったのですが、グランドキリンは麦芽とホップだけを使い、独自製法で今までになかった味わいを作り出し、その個性的な味わいは巷で賛否両論の話題を引き起こしているようです。
添えられていた手紙によると、このグランドキリンの楽しみ方は普通のビールとは異なるとのこと。そこで手紙に記載されていた開発者お勧めの飲み方で、実際に味わってみましたが…これはビール好きなら、絶対試すべきですよ!
ちなみにこのグランドキリンは「1本で満足できるスペシャリティ・プレミアムビール」をコンセプトに、こだわりにこだわって開発された、従来とは異なる重厚な味わいのプレミアムビールなのだとか。
手紙には、その個性的な味わいの正しい楽しみ方が記されていました。
まずは、グランドキリンの正しい飲み方について、改めてご確認をさせていただきたいと思います。発売以来、いちファンとして毎晩グランドキリンと向き合い、結論づけた飲み方となります。
まず最初に香りを愉しんでから、一口目、びんから直接、喉に当てるように勢いをつけて飲みます。しっかりと喉元で感じられる豊潤な麦芽のコクと、広がるアロマホップの余韻が感じられるはずです。二口目以降はびんでもグラスに注いでも個人の自由に委ねられますが、私としてはびんのまま、少し温度が上がるまで時間をかけてゆっくりと飲むのがお薦めです。
グランドキリンは温度が上昇するにつれて香りや味に変化が出るように設計しているからです。これは、通常のホップ使用方法に加えて、発酵中にひと手間かけたアロマホップを浸漬するディップホップ製法を使用しているからこそなせるワザです。私の場合、1本飲み終わるまでの平均所要時間はおよそ1時間くらいです。
1本のビールで1時間もの時間をどう過ごすのか、途方に暮れてしまう方もいらっしゃるかもしれません。確かに、普通のビールでは不可能かもしれません。しかし、あっという間に、しかも充足感とともに過ごすことができる、グランドキリンらしい楽しみ方があるのでご紹介いたします。
まず部屋の灯りを消し、テレビや音楽も消します。自分の内面と向き合いながらグランドキリンと過ごすわけです。私の場合は、社宅のベランダでひとり、街灯りをながめながら「ビールの将来」のことなどに想いを馳せながらグランドキリンを愉しんでいます。
ビールと言えば爽快感とのどごしを楽しみ、ゴクゴクと飲むもの…と勝手に思い込んでいましたが、なるほど、このビールはじっくりと味わうのが正当な楽しみ方のようです。
そこで書かれているとおり、編集長のぜろんぱとプレミアムな時間を愉しんでみました。
編集部の電気を消し、口元に運んでみると…たった一口なのに広がる鮮烈なコクと苦み。この濃厚さを例えるなら、初めてビールを飲んだときのあの衝撃のよう。
しかしそれは決してしつこくなく、口の中から後味が引くとほろ苦い味わいを求めて一口、また一口と、思わず引き寄せられてしまいます。不思議…!
一口でまるでグラス1杯を飲み干したかのような濃厚な味わいを、少しずつゆっくりと味わう至福のひととき…。
折しもらばQ運営開始からのちょうど5年という節目を迎え、先月ようやく念願叶って渋谷に開設した小さな編集部。今まで、そしてこれからに思いを馳せながら味わうこのプレミアムな味わいは、ひときわ格別に感じられます。
手紙には時間とともに味や香りが変化するとありましたが、確かに時間と共に苦みはまろやかに、そして開けたばかりの時はあまり感じられなかった、ほのかな甘みが感じられるように。
今まで知っていたビールは、時間が経つと酸味が際立ち飲みづらくなる印象でしたが、グランドキリンは酸味はほとんど現れず、ビターかつ芳醇な味わいに変化するようです。
編集長と今までを振り返りながらゆっくりと楽しむこと1時間少々。
1本当たりの容量は330mlと決して多くはありませんが、飲み終えた後の満足感は、何本もビールを飲んで得られるそれに劣らず、至上のひとときをもたらしてくれました。
途中、編集部に遊びに来た友人にも勧めてみましたが、いたく気に入ったよう。この濃厚な味わいはビールが苦手な人は向かなさそうですが、反面ビール好きはハマる人も多そうです。
ちなみにグランドキリンは6月にセブンイレブンで先行発売したところ、たった1か月で年間出荷予定の6割超の出荷を達成したのだそう。いや、だってこれはビール好きならリピートしたくなりますもん…!
またキリンの調査によると、軽い味わいのビールを好む層の支持率は最低であるものの、反面しっかり味を好む人にはダントツの支持率を得ているようです。
こんなに極端に好き嫌いが分かれる製品を、大手のキリンが出してきたというのが本当に驚きですよね…!
また調査結果によると、人を選ぶマニアックなビールであるとの評価でありながら、こうしたニッチな製品に挑む企業姿勢に多くの支持を得ているのだとか。
不況の影響からか、安定した収益を得るべく無難な製品ばかりが並ぶ現代、こうした野心的な製品をリスクも顧みず投入してくれる企業姿勢は貴重なもの。こうした取り組みは、他の多くの企業にもぜひ追随してほしいものですね。